中国の損害賠償訴訟で敗訴した商船三井の貨物船が上海海事法院(裁判所)に差し押さえられた問題で、同法院は24日、同社が29億円余の賠償金に金利分を加えた約40億円を支払ったことを明らかにした。同法院は「判決が定めた義務を完全に果たした」として、24日午前8時半(日本時間同9時半)、浙江省の港に停泊していた貨物船の差し押さえ措置を解除する決定をした。

 商船三井によると、賠償金に金利などを加えた約40億円を供託金として中国当局に支払ったという。浙江省の港で差し押さえられた「BAOSTEEL EMOTION」は同日までに、オーストラリアから運んできた鉄鉱石の積み下ろしを終了。同社は、支払いに応じなければ出港が認められず、船が競売にかけられる恐れもあると判断し、中国側の要求に応じることを決めた。