襲撃後の告白らしい
ちょっと難産。
ちょっと微妙。
なんとも言えません……
吊り下げられた網の中で、もぞもぞとシオンが居住まいを正している間に、蓮弥はちらりと自分の寝台の傍らに目を向ける。
そこにはフラウがどうしても、と強く希望した為にこしらえたフラウの寝台があるのだが、そこにフラウの姿は無い。
おそらくは、シオンの為に部屋の鍵を開けた後、その後のことの邪魔にならないようにと部屋の外へ出て行ったのであろう。
見ようによっては、ごゆっくりどうぞと言うフラウの気遣いに見えなくも無いが、多分それは違うんだろうなと蓮弥は思う。
もし、ごゆっくり云々なのであれば、フラウはシオンに入口の扉に仕掛けられたトラップの存在を伝えているはずだった。
それを伝えなかったと言う事は、シオンの行為は容認できても、それ以上の行為については運任せと言うことにしたのか、あるいは教えない方がなんだか面白そうだろうと言うことのどちらかだろう。
そんなことを考えていた蓮弥に準備が出来たのか、シオンが話しかける。
「レンヤ、君は興味の無い事に関しては異常に鈍いと思うんだ」
「藪から棒に、えらい言われようだが……確かに興味の無いことはどうでもいいな」
蓮弥があっさりと肯定すると、シオンが苦笑する。
「その様子だと、この国の名前すら忘れているんじゃないか?」
「それは覚えているぞ。トライデン公国だな」
「では、そこの大公の名前は?」
「知らない」
それこそどうでもいい情報だったので、蓮弥は即答した。
国の最高責任者の名前等、知らなければ知らないで別に生活に困ることはない。
蓮弥が元いた世界でも、自分の国の総理大臣の名前をフルネームで答えろと言われて答えられない人の数は結構な数に上るはずだった。
別段、知っていても得をするわけでもなく、知らないからと言って何か損をするわけでもない。
その程度の重要度の情報でしかなかった。
「このトライデン公国は、瘴気の森に一番近い国家であり、人族の大陸における城壁のような役割を果たしていると言っていい。その為に、国力は人族の大陸で第二位を誇る。ちなみに一位は大陸中央部を支配している聖王国なんだが」
ここに来て世界史か地理の勉強会にでもなるのだろうかと蓮弥は思ったが、取りあえずはシオンのしゃべりたいようにしゃべらせることにして、黙って先を促す。
「そのトライデン公国の大公陛下の名前はリディアと言う女性だ。フルネームをリディア=ファム=ファタールと言う」
「ん? それって……」
聞きとがめて口を挟んだ蓮弥に、シオンは頷き、自分の胸に手を当てる。
「そう、私はシオン=ファム=ファタール。トライデン公国大公陛下の娘で、第一公女になる。大公陛下は私の母にあたるんだ」
驚かなかった、と言えば嘘になるが非常に驚いたかと言われればそうでもない蓮弥だった。
それなりに高い地位にあるのだろうと予想はしていたが、まさか国のトップの娘だとまでは思っていなかったが、35番目とは言っても皇帝陛下の娘であるクロワールが居る現状では、目の玉が飛び出るほど驚くような事柄でもない。
そんな考えは表情に出ていたらしく、シオンが笑う。
「まぁ確かに今更感が強いな」
「顔に出てたか、失礼。それでもかなり偉い地位になるんだろ、それ?」
「そうだな。人族の大陸限定で言えば、私が頭を下げなくてはならない人の数はそんなにいないくらいには偉い。一応、第一位の継承者で次期大公だからな、本当ならば」
<実はトライデン公国って長くないんじゃないか、って思うの>
突然脳裏に響いたフラウの声に、蓮弥は吹き出しかけてなんとか我慢する。
どうやら蓮弥とフラウの間にあるパスを通じて、どこかで会話を盗み聞きしているらしい。
シオンが次期大公と言うのを聞いての感想なのだろうが、納得できる部分があるとは言ってもタイミングが悪すぎると、蓮弥は抗議の念を送っておいた。
「本当ならば、ってことは実際はそうならないってことか?」
言葉尻を聞きとめて、尋ねた蓮弥にシオンはこっくりと頷いた。
「レンヤもそう思っているだろうが、私は……有態に言ってあまり賢くない」
はいともいいえとも言い難いシオンの言葉に蓮弥は沈黙を保つ。
少し気を抜くと、先程のフラウの言葉もあって笑い出しそうではあったが。
「正直に言えば大公の重責に耐えられるとは思わないし、国自体を危うくしてしまうだろう自信がある」
駄目な子じゃないか! 分かってはいたけど! と言う絶叫を噛み殺して、蓮弥は思わず突っ込みかけた自分をなんとか制した。
それでも駄目な子は駄目な子なりにちゃんと自己分析できている所は偉いかな、とも思う。
蓮弥から見たシオンと言う人物は、直情的に過ぎて周囲を察することがあまり出来ず、理想を重視するせいか現実が見えていないと言う感じであった。
それが悪いことだとは蓮弥は思わない。
フォローできる範囲なのであれば周りがフォローすればいいのだし、しきれない範囲なのであれば、切々と理を説いて諦めさせることもできる。
そう考えると、これまでのシオンの行動もなんとなく説明がつくような気もした。
つまり、トライデン公国の国民は彼女からすれば庇護する対象であり、可能な限り、もしくはある程度不可能であっても見捨てることのできない存在だと言うこと。
これについては、ある程度は切り捨てる選択をするのも為政者の務めだろうと言う考えもあることにはあるのだが、おそらくシオンはそこまでの教育を受けて来なかったのだろう。
そしてエルフの国であっさりと退却を選択したのは、他国での出来事であり、護るべき対象は他国の民であることから、自分が口や手を出すことではなく、さらにその危険性が自国にも及びかねないと聞いた為。
シオンはシオンなりに、彼女の中にある判断基準で動いていたのだな、と思うと単純にお馬鹿な子なんだと思っていたことがちょっとだけ申し訳なく思えてくる蓮弥である。
「幸いなことに、私には良くできた妹がいて、あの子は私とは比べ物にならない位賢かった。だから私は大公の継承権を放棄して、妹に譲ることにしたんだ」
「質問その1、学校でアホの矯正を行った時に、ファタールって姓の貴族がいたんだが?」
「あれはうちの傍流になる。蓮弥が会ったと聞いた時にはちょっとだけドキッとした。余計なことを言わなければいいんだがと心配していたが、何も言わなかったようで助かった」
「質問その2、妹さんはそんな面倒なものを押し付けられて、嫌がらなかったのか?」
「姉様に国をお任せするくらいならば、その方が確実でしょう、と言われてしまったな。もっとも妹は私を大公にして、自分は摂政として私のサポートに回りたかったようだが、その点に関しては悪いことをしてしまったと思っている」
「なるほど、理解した。それで、それと時間が無いのとの関係は?」
「……聖王国が勇者召喚の儀式を行ったんだ」
シオンが僅かに俯いて続ける。
「私とローナが最近、色々と動いているのはレンヤも知っていると思うが、エルフの国から持ち帰った情報に加えて、樹林迷宮を警備している兵士からの報告や、瘴気の森からの調査報告、その他、最近活発になってきた魔物の活動や魔族の出没情報。そして魔族の大陸への直接調査……こう言った諸々の情報から、聖王国は結論を出した。これは魔王の出現が近い、あるいは既に出現してしまっている、と」
勇者召喚の次は魔王降臨と来たか、と蓮弥は表情には出さずに呆れ気味に思う。
どう考えてもゲームの話にしか聞こえないが、こちらの世界からすればそれらは全て現実の話だ。
そう言えば、と蓮弥は思い出す。
エミルが魔族の国が色々と騒がしいと言っていたことを。
それが魔王出現のせいなのかどうかは、エミルに聞いた所で本当の事をしゃべる気が全くしないのだが、当たらずとも遠からずと言った辺りではないかと蓮弥は思う。
「勇者召喚、ってことは迷い人のように異世界から呼ぶってことか」
「あぁ、迷い人と違うのは召喚された人物は勇者たる力を持っている、と言うことだな」
「まだ話が繋がらないんだが?」
魔王とか勇者とか、確かに大変なことなのだろうが、それがどこからシオンの時間制限に繋がってくるのかと言う所が蓮弥にはまだ見えてこない。
見えてこないと言うよりも、なんだか段々とシオンから遠ざかっていってる気すらしてしまう。
「ここから先は、レンヤに聞かれると、酷く馬鹿にされる気がするんだが」
「うん?」
「まず召喚された勇者は必ず男性が来る。理由は分からないが、おそらくは魔王と戦うと言うことを求められているせいだと思う。今回も例に漏れず男性だそうだ」
それは一応、蓮弥にも納得できる話であった。
差別ではなく区別として、戦闘と言う行為に関してのみ話をするのであれば、それは男性の方が向いている、と言うのは至極当たり前であると言える。
「召喚された勇者に、この世界を救う為に、魔王と戦って欲しいと願うわけなんだが……その、なんだ。召喚された勇者も若い男性なわけで……お願いをするにしても、だな……」
「なんだか歯切れが悪いな」
「わ、私だってこんなこと、真面目な顔で説明なんかしたくないんだ」
吊り下げられている網をぎしぎしと揺らして、シオンが抗議する。
その様子から蓮弥が察してみるに、どうもシオンは恥ずかしがっているらしい。
勇者召喚に関する情報の、どこに恥ずかしがる理由があるのだろうと蓮弥は首を捻るが、そんな蓮弥の考えなどシオンには分かるわけもなく、説明を続ける。
「世界を救って欲しい、と頼み事をするのに、むさくるしい中年や、枯れた老人が行った場合と、妙齢の女性が行った場合に勇者に与える印象は、どちらが良いかと言うことだ」
「それはなんとなく理解できる。大体どんな物語でも勇者に願いを言うのは姫様だしな。しかしそれは召喚した国の姫様の役割であって、政治の表舞台から落っこちたシオンには関係の無い話じゃないか?」
「落っこちたって……レンヤ、君は結構酷い奴だな」
「事実はどう言い繕っても事実だからなぁ」
「まぁ……いい、確かに事実だし。例えば……そうだな、レンヤは黒髪と金髪どちらが好きだ?」
随分とまた関係のなさそうな質問だなと思いつつも、蓮弥は正直に答える。
「髪の色やら肌の色で好みが左右することはないが?」
「ぬぅ……例えを変えよう。例えば、む、胸の大きな女性が好きな勇者が召喚されたとしよう」
「うん」
「そこで、私達を助けて欲しいとお願いする姫君が……極端な貧乳だった場合、勇者が姫に好意を抱く可能性は低くなるとは思わないか?」
いきなり話が下世話になったなと思いながらも蓮弥は考えてみる。
そもそも、世界を救って欲しいなどと頼まれて、はい分かりましたと答える時点で馬鹿なのは確定してしまっていると思う蓮弥だが、それでもその頼み事をしてきたのが自分の好みに非常にマッチした姫だったとしたならばどうだろうか。
少なくとも、おっさんやら老人やらマッチョやらイケメンよりは成功率が上がるのではないだろうか。
そう思ってしまえば、シオンの言おうとしている所もなんとなくではあるが予想がつく。
「まさかと思うんだが……その聖王国で行う勇者召喚に関して、勇者の御機嫌取りの為に……?」
「……各国から代表の姫を一人ずつ選出して、勇者と面会させることになっている。これは古来よりの取り決めで、各国は従うことを求められる」
蓮弥の言葉に続けるようにシオンが言った言葉を、蓮弥は聞き間違いではないだろうかと考え、それが聞き間違えでは無いことを確認した後に、たっぷりと間を空けてから、しみじみと言った。
「お前ら、馬鹿だろ?」
「私が決めたわけじゃないっ!」
薄暗がりの中でも分かるくらいに真っ赤な顔で、シオンが大声を出す。
夜中に大声は近所迷惑だろうと思いつつも、案外良い手なのかもしれないと蓮弥は思う。
なんだかんだと理由をつけてみても、惚れた弱みと言うのは誰しもが弱点と成り得る部分だ。
どんなお話にもヒーローにはヒロインがつきものであり、尚且つヒロインは足枷であったり繋ぎであったりすることが多いのがファンタジーと言うものである。
しかも勇者様と祭り上げられて、美姫をあてがわれたのならば、何か勘違いしてこの世界の為に戦おうと思ってしまう男性が存在する確率はそう低くない気もする。
だからと言って正直に、それは良い手だな、等とは口が裂けても言えない蓮弥である。
「それはつまりあれか? 本来ならシオンの妹がその代表の姫に選ばれる所なんだが、継承権を譲って、重責をになってもらう役目を押し付けてしまった身としては、そんな人身御供みたいな役目を妹にさせたくない、と?」
「私が本来の身分でいたのなら、私が選ばれるはずの話だったしな」
「おまけにトライデン公国は、優秀な次期大公を失う結果になりかねないと」
「そうなるくらいなら、私が行った方がマシだろう? 第一公女と言う身分はまだ失っていないしな」
「まぁ……だがしかしだ。別に面会に行ったからといって、勇者に食われると決まったわけでは……」
好みに合わなければ、手をつけられることも無く帰されるんじゃないかと言う蓮弥に、シオンは答えた。
「ローナが事前に調べてくれた。……既に何人かの姫が面会しているそうなんだが、例外なく……」
言葉尻は小さく聞こえなかった。
あまり口にしたい言葉でもないのだろうと蓮弥は追求は避ける。
「お盛んなことで……羨ましい限りだ。ちなみにだが、全員に手をつけて、一人だけ選んだ場合のペナルティとかは?」
「あるわけがないだろう。相手は勇者なのだし」
それじゃ三つの理由から食われる公算が高いだろうな、と蓮弥は思う。
一つは据え膳食わぬはなんとやら、と言う理由。
勇者召喚と言う儀式がどのようなものか蓮弥は知らなかったが、まさか自分のような元老人を呼び出す儀式ではないだろうと思う。
戦うことを求められているのだからおそらくは、召喚対象は若い男だ。
それが各国から集められた美しい姫を目の前にして、お好きにどうぞと言われた場合、そこで我慢しきれるようならば相当な偉人だなと蓮弥は思った。
二つ目は保身目的だ。
相手が身分の高い姫であることが分かっていれば、それと情を交わすことはそのまま自分の身を守ることにつながるとも言える。
送り出されてきた姫達も人の子である。
送り出した各国の王達等も人の親である。
自分の子と情を通じた相手が、なんらかの理由で援助を求めてきたら、中々断りづらいものがあるはずだ。
これが本人の意向を無視した力づくだったりすると、逆に親の方から追われるようなことになるのだろうが、勇者の場合はどうぞと差し出されたものに手をつけるだけなのだから、責められる謂れも無い。
三つ目は単なる女好きと言う可能性。
これはもう説明するまでもない。
用意されたものは食うだろう。
「頭では分かっているつもりだったんだが、気持ちの整理がつかなくて……別に私はこんなだから乙女ではないとバレて不義だと言われた所で失うものがない。だったら先に、レンヤと……と思ってしまったんだが、レンヤの気持ちを考えていなかったな。すまない。やはり私は愚かだな」
「いやまぁ、そういう相手に選んでくれたってのは嬉しい話ではあるんだが……やはり、状況に押されてと言うのはちょっとなぁと思うんだ。それでその勇者との面会にはいつ行くんだ?」
「色々と準備があるそうなので、明日には聖王国の聖都へと出発しなくてはならないんだ」
「ふむ……」
<フラウ、聞いての通りなんだが、シオンの出発を遅らせたい。何かいい薬とかないか?>
<遅効性で非致死の毒薬の錠剤が、フラウの寝台の枕の下にあるの>
<……参考までに、なんでそんなもの用意してあるんだ?>
<内緒なのー>
すぐ傍らに有るフラウの寝台の枕の下に蓮弥は手を差し込む。
確かにそこには小さな陶器のビンが一つ、納められていた。
親切なことに、ビンには使用方法を書いた紙が張ってある。
「レンヤ? それは?」
「ん? まぁ……ちょっとね」
魔術の灯りに照らしてみれば、丁寧な筆跡で書かれた説明書にはこう書かれている。
<一粒で吐き気、微熱状態、二粒で腹痛、吐き気、中程度の発熱、三粒で腹痛、吐き気、幻覚症状、高熱を発する。四粒で腹痛、吐き気、幻覚症状、全身への痙攣、やや危険な高熱。効果はおよそ三日>
「ふむ……」
ビンの口をあけて、中身を手の平の上へと転がす。
小さくて真っ黒な丸薬を、蓮弥は迷わず四粒、手の平の上に残すと、ビンをフラウの枕の下へと戻した。
「レンヤ、網を外してくれ。私は自室に戻る。……今夜のことは申し訳なかった。本当に……」
蓮弥が何をしているのか分からないままに、シオンがそんなことを口にする。
蓮弥は左手に丸薬を握りこみ、ベットから立ち上がると入り口まで歩き、壁に隠すように拵えてあるボタンを押した。
それに応じて天井から網を吊り下げていたロープがゆっくりと伸びて、網をそっと床へと下ろす。
網が床に下りてしまえば、中から出ることはそう難しくない。
網の口を広げて、中から出てきたシオンは、そのまま蓮弥の部屋から出て行こうとしてゆく手を蓮弥に阻まれる。
「レンヤ?」
その行動の意味が分からずに、名前を呼ぶシオン。
蓮弥は答えずに左手に握りこんだ丸薬を全て自分の口に含むと、右手でシオンの左手を引き、よろめくようにもたれかかってきたシオンの腰を左腕で抱きしめる。
背丈は蓮弥の方が高い。
上目遣いに見上げるようになったシオンは、蓮弥に抱かれた状態で、一体何が起こっているのか分からず、ただ、蓮弥の顔が自分に近づいてくるのをじっと見つめてしまう。
蓮弥は右手をシオンの左手から離すと、右腕もシオンの背中へと回した。
逃げられないように、だ。
捕獲状態にした、とも言う。
「んむ……」
驚くシオンに考える時間を与えないように、蓮弥はその唇に自分の唇を合わせた。
さらに素早く口移しに、丸薬を二粒、シオンの口内へと送り込むと、あとはシオンがそれを飲み下すまでその状態を保持する。
何が起こっているのか、理解もできないままに、シオンは小さく喉を鳴らして、蓮弥の送り込んだ丸薬を飲み込んでしまった。
それを確認してから、蓮弥は自分の口の中に残る丸薬を飲み下す。
さらに折角なので、思う存分にシオンの唇を時間をかけて味わってから、ゆっくりと唇を離した。
「レンヤ……一体何を……?」
どこかトロンとした表情で、蓮弥に抱かれた体勢のまま問いかけるシオン。
まだ毒薬の効果は出てないよなと思いつつ、蓮弥は力の抜けてしまったシオンの身体をお姫様抱っこの状態に抱き上げる。
初めての少女に、いきなりディープなのは不味かったかもしれないと反省しつつ、蓮弥はシオンの耳元へそっと囁くように言った。
「俺も付き合うから、しばらく寝とけ」
言われた意味が分からずに、顔を上気させたまま蓮弥を見つめるシオンに、蓮弥はニヤリと笑いかけて見せるのだった。
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