2014-04-24
某チェーン飲食店の「人手不足で閉鎖」報道を見て『足で投票する』という言葉を思い出した。
「すき家」店舗が次々と『人手不足閉店』 新メニュー「鍋定食」に従業員が憤慨? ネットに「やってられん!」の声
2014/3/20 18:10
http://www.j-cast.com/2014/03/20199811.html?p=all
牛丼チェーン大手「すき家」の店舗が次々と閉店している、などとネットで騒ぎになっている。ツイッターや掲示板には閉店情報と閉店した店舗の写真がアップされていて、店の入り口には「従業員不足に伴い、一時的に閉店させていただきます」などといった張り紙が出ている。
どうやら従業員が2014年2月下旬以降に大量に辞めたことが原因のようで、掲示板「2ちゃんねる」のすき家クルー(従業員)専用スレには従業員と思われる人たちの「みんな辞めるなら俺も辞めたい」「まじで同時退職しようぜ」といった呼びかけが出ていた。
「すき家の春の閉店祭り始まったぞw」「閉店理由がシュール」などとネットが騒がしくなったのは14年3月中旬から。ツイッターや掲示板で閉店店舗の写真が次々にアップされていった。
(略)
今回の従業員離脱騒動は収まらない様子だ。
いったい「すき家」に何が起きているのか、これからどう対応していくのかなどをゼンショーに問い合わせているが、
「広報担当者は取材対応の外出中で戻りがいつになるかわからない」
ということだった。
ワタミも大変だそうで。
http://ryotarotakao.com/archives/5445/
で、「足で投票する」(足による投票)という言葉を思い出した次第だ。
もとは経済用語で
住民が自分にとって好ましい行政サービスを提供してくれる地方自治体の地域に住所を置く形で選択することによって地方自治体の納税収入等が変動し、地方自治体間の競争メカニズムが発生するという理論
らしいのだが、自分が初めて知ったのは、もっと剣呑かつ端的に「冷戦期の、東側から西側への亡命」の意味に転用されてのことだった。
「社会主義国では手による投票(普通の政権選択)はできない。だから足で投票する」とね。ある意味、東ドイツはこの足による投票で倒れたとも言える。(「ヨーロッパ・ピクニック作戦」と称し、ハンガリーが中立国オーストリアとの国境を開放、ハンガリー経由で西側に行けるようになった。これによって「もうベルリンに壁を作っても意味は無い」と東ドイツ政府があきらめ、あの壁が崩れた。ちなみに一夜にして開放されたのは連絡ミス(笑))
アルバイトや社員が、労働条件に比べて報われないと思う企業から次々と辞めて転職するのは、それに近いというべきなのかもしれない。それを可能にするのは社会全体の人手不足、好景気状態で、もしもそれが仮にアベノミクスの成果であるとするなら、それへの期待で国会議員になれた会長さんの心境やいかに。夢に日付を。
決して好景気だけでなく、ブラックさの告発や批判もめぐりめぐっての効果があったと思うけど。
東京で国際ペン大会が開かれたときだった。私は学芸武器者で、イギリスの作家アラン・シリトー氏(※「長距離ランナーの孤独」などが有名)をホテルの部屋に訪ねた。
(略)一通りのインタビューが終わったあと、何のことからか、どんな自由が最も基本的か、どんな自由を制限されるのが一番つらいか、という話になった。
彼は即座に明快に答えた。
「それは移動の自由だ。だがコミュニストたちはそれを奪っている」
私はあっけにとられた。シリトー氏は義務教育を受けただけで職工になり、働きながら詩や小説を書き始めた人だ……「言論の自由だ」という反応を期待していたのに、意外な返事だった。
「制限しなければ倒れるからだ」
去年(※1989年)の11月にベルリンの壁が倒れたときでさえ、私はシリトー氏のこの言葉がまだピンとこなかった。いま東独が倒れて初めて、彼を理解した。移動し始めた民は実に速かに国を倒すのである。
最近読んだ、この本より。
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