認知症男性のJR事故 家族の責任どう判断4月24日 4時06分
7年前、愛知県大府市で認知症の男性が電車にはねられて死亡した事故で、JRが遺族に損害賠償を求め、1審で720万円の支払いを遺族に命じた裁判の2審の判決が、24日、名古屋高等裁判所で言い渡されます。
認知症やその疑いがあって行方不明となる人が年間1万人近くに上るなか、家族の責任について2審でどのように判断するのか注目されます。
この裁判は、平成19年12月、愛知県大府市のJR共和駅の構内で近くに住む認知症の91歳の男性が電車にはねられて死亡し、JR東海が事故で生じた振り替え輸送の費用などの賠償を遺族に求めたものです。
1審は、男性の長男と妻について「はいかいが予測できたのに防止するための適切な措置を取っていなかった」などとして、およそ720万円の支払いを命じ、遺族側が名古屋高等裁判所に控訴しました。
裁判で、遺族側は「24時間、目を離さず介護することは不可能だ」として、はいかいを完全に防ぐことはできないと主張しています。
認知症やその疑いがあり、はいかいなどで行方不明になったとして警察に届けられた人は、おととし1年間に全国で1万人近くに上っています。
また、鉄道会社の報告をNHKが分析した結果、平成17年からの8年余りの間に認知症の人がはいかいするなどして起きた鉄道事故は、少なくとも76件に上り、このうち64人が死亡したことが分かっています。
こうした事故について、専門家の間には「家族の責任が問われると認知症の人を外出させなくなるおそれがある」という意見もあります。
認知症の人による事故の実態が明らかになってきたなかで、家族が負う責任について2審でどのように判断するのか注目されます。
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