多数の遺体が指骨折、必死の脱出図った痕跡か…韓国旅客船沈没事故

2014年4月24日6時0分  スポーツ報知

 韓国南西部、珍島沖の旅客船セウォル号沈没事故で、これまで船内から見つかった遺体の多くが手の指を骨折した状態だったことが23日までに分かった。乗客たちは転覆した船の客室から必死に韓国船沈没事故死者156人に脱出しようとしていたとみられる。海洋警察などの救助チームは23日も、潜水士による安否不明者の捜索を続け、修学旅行の高校生が利用していた船内の大部屋などから新たに35遺体を収容。死者は計156人、不明者は146人となった。

 事故発生から1週間が過ぎ、遺体の収容作業はようやく本格的になって来た。韓国メディアの報道によると、船の客室から次々と発見される遺体の多くは、手の指を骨折した状態だったという。その多くは修学旅行の高校生だ。

 ケーブルテレビのチャンネルAは、救助チームに加わった民間潜水士の「船内で発見された死体は、かなりの数が指を骨折した状態だった」との証言を報じた。強い衝撃や圧力が加わったものとみられるが、骨折の原因は分かっていない。韓国のインターネット上では「乗客たちがつかまれるものにしがみついて、船外に脱出を図ったため」という声や、「苦しくなって激しくもがいた証拠」などという見方が出ている。

 事故発生時は朝食の時間帯だったため、多くの高校生は船内の食堂にいたと考えられていたが、不明者は見つからなかった。船内で待機するよう放送が流れるなどしたことから、部屋に戻っていた可能性もある。

 合同捜査本部の関係者は23日、船長をはじめ、航海士や機関士など操船を担当する全船員が「団体で操舵(そうだ)室や機関室に集まり、乗客より先に脱出した」と述べ、全員に遺棄致死罪が成立するとの判断を明らかにした。

 事故では、船員らが乗客の救助義務を尽くさなかったため被害が拡大したとみられており、船員らは刑事責任を厳しく追及されることになりそうだ。

  • 楽天SocialNewsに投稿!
社会
報知ブログ(最新更新分)