2010年05月02日号: ◎猛威振るう韓国発異端 その実態と対策[1]正体隠して浸食 大教会で被害深刻−−キリスト教の25%に急成長=1005020501  
執筆者: jp
発行日付: 2010/4/26
閲覧数: 8159
サイズは 4.53 KB
印刷用ページ 友達に教える
 
 韓国で異端が猛威をふるっている。その勢いはキリスト教会を浸食し、分裂や混乱を引き起こし、クリスチャン人口を流出させるほど。その一部はすでに日本に進出してきている。危機感を持った日本で働く韓国人宣教師たちの団体「在日韓国基督教総協議会」は異端対策委員会を設置し、今年2月には韓国から異端問題の専門家パク・ヒョンテク氏を招いて、実際的な対応について都内で研修会を開くと共に、日本の教会関係者にも呼びかけて「韓国発異端問題」の実態と対策を知らせた。

 講師のパク氏は、韓国で最も幅広い教派・教会が加盟する韓国基督教総連合会(CCK)異端対策委員会専門委員、大韓イエス教長老会合神異端対策委員長で、同教団の教育部長も務める神学者。韓国で異端問題の専門誌として知られる「改革新報」「現代宗教」の編集委員でもある。
 パク氏によると、韓国には自分が再臨主だと主張する教祖が50人おり、キリスト教系異端・カルトの教勢は少なくとも200万、最大で300万と推定される。これは、キリスト教人口の約4分の1に相当する。「多くの教会が異端による傷を受けており、その被害は深刻です」と言う。
 そのパク氏が、最近の最も脅威を与えている団体として挙げたのが、新聞やインターネットメディアを中心に多くの関連団体を持つ「クリスチャントゥデイ」と、ひそかに既成教会に工作員を送り込んで乗っ取りを謀る「新天地イエス教証拠(あかしの)幕屋聖殿」。今回の研修会では特に、新天地の教えの特色について概説。素性を隠して教会に入り込むことで見分けにくいことが脅威になっているが、その見分け方にも触れた。

最も深刻「新天地」の教え

 「新天地の教えは、すべてをたとえで解釈することにある」とパク氏は説明する。例えば創世記で「善悪の木」の記事からサタンの話をし、「善悪の木の実を食べる」という行為を「サタンの教理を受け入れること」と説く。彼らの教えではバプテスマのヨハネは「背信者」であり、パリサイ派は「滅亡者」の象徴、そしてイエスは「救い主」だ。それを現代に適用し、背信者は○○、滅亡者は△△、救い主は新天地の創設者イ・マンヒ(李萬熙)であると言う。
 イ・マンヒはまた、「助け主」「選ばれた者」「使徒ヨハネ格の牧師」「勝利者」「白馬に乗った者」「封印を解く者」「黙示録を解釈する者」とも称され、「再臨のイエス」と信じられている。聖書中の「東方」は韓国のことで、「義人」はイ・マンヒだと解釈される。「イエスは霊で再臨され、その霊がイ・マンヒに臨んでいる」とこじつける。
 聖書に出てくる言葉について、文脈と関係なく恣意的に様々な意味を読み込めば、どんな教えでも作り出すことができる。これは典型的な異端の聖書解釈法である。日本では古株の韓国系異端として知られる統一協会(世界基督教統一神霊協会)の教典「原理講論」がこの手法で書かれているが、新天地にはこの「原理講論」の流れをくむ共通の特色がほかにも見られるという。
 例えば歴史の捉え方。時代ごとに救いの方法を定め、各時代ごとに神は救い主を遣わす、と教える。それは「この時代の救い主はイ・マンヒである」と証明するためだ。
 また生物に雌雄があるように、すべてのものに二性(ペア)がある、という主張も統一原理と共通する。その「すべては二性で成り立っている」という考えを聖書に読み込み、イエスの再臨の実体がイ・マンヒであると言う。「マラキ書で預言された来たるべきエリヤは洗礼者ヨハネだったように、再臨の主の実体はイ・マンヒである」という理屈だ。
 既成の教会を「滅亡するバビロンの教会」と批判するのも、異端の常じょうとう套句。その牧師たちを「背信者」「イヌ」「ブタ」などとののしる。
 聖書に出てくる数字は象徴的なものが多いが、新天地では黙示録7・4に出てくる「十四万四千人」だけは文字どおり解釈する。彼らはこの選ばれて印を押された「十四万四千人」を満たすために必死で働いているという。パク氏によると、新天地の教勢は、03年まで5千人に満たなかった。しかしその後、既成教会に潜入させて教会員を新天地に改宗させる「収穫の働き人」訓練を始めると、各教会から引き抜いた人が毎年約1万人ずつのペースで増え、現在はおよそ10万人いる。
 殉教者と天の霊が合体すると教え、この「十四万四千人」は神人合体して永久不滅になる。現在イ・マンヒは80歳だが永遠に生きると主張しており、信者はそれを信じているという。新天地では「終末の時、選ばれた牧者であるイ・マンヒに来なければ救われない」として、イ・マンヒが建てた「幕屋の聖殿」が天から降りてきた新しいエルサレムであると主張する。
 「神が啓示を与えたのでそのまま書いた」と宣伝しているイ・マンヒの3冊の著書は、聖書と同じ権威を持つ。新天地には中世のサベリウス主義のような様態論の要素もあると、パク氏は言う。
 パク氏によると、韓国では著名なメガチャーチが新天地の被害を多く受けている。サラン教会は弟子訓練で知られるが、それでも470人ほどが新天地に転向した。ミョンソン(明声)教会では千人、チョアン長老教会でも千人、テジョン教会では数百人が離脱した。収穫の働き人が「ほとんどの教会に浸透している」といい、ヨイド純福音教会には千人くらい、オンヌリ教会には数百人が入り込んで活動していることが分かっているという。
 すでに日本にも約200 人の「収穫の働き人」が潜入しており、新天地に転向した牧師もいるという。 (つづく)
 
カテゴリに戻る | カテゴリの一覧に戻る
いのちのことば社 クリスチャン新聞 ©2011 当サイトの情報の無断転載は禁止いたします
会社概要  |   報道理念  |   個人情報保護方針  |   通信販売法に基づく表示