名人戦:羽生、強気で攻め連勝 第2局

毎日新聞 2014年04月23日 18時20分(最終更新 04月23日 21時02分)

第72期名人戦第2局で森内俊之名人を破り、感想戦で笑顔を見せる挑戦者の羽生善治王位=福島県喜多方市の熱塩温泉山形屋で2014年4月23日午後6時42分、矢頭智剛撮影
第72期名人戦第2局で森内俊之名人を破り、感想戦で笑顔を見せる挑戦者の羽生善治王位=福島県喜多方市の熱塩温泉山形屋で2014年4月23日午後6時42分、矢頭智剛撮影

 福島県喜多方市の熱塩(あつしお)温泉山形屋で22日から繰り広げられていた第72期名人戦七番勝負第2局(毎日新聞社、朝日新聞社主催、大和証券グループ協賛、名人戦喜多方市実行委員会協力)は23日午後5時55分、89手で挑戦者の羽生善治王位(43)が森内俊之名人(43)に連勝し、名人奪回に向けて好発進した。残り時間は羽生1時間8分、森内1時間20分。第3局は5月8、9日、佐賀県武雄市の湯元荘東洋館で行われる。

 会津盆地北部の温泉地での戦いは、第1局に続いて相がかり戦、前期の開幕2局と同じ戦型選択になった。双方が強手を連発して激戦になったが、最後に羽生が森内玉を長手数の詰みで討ち取った。

 1日目は羽生が攻勢だったが、封じ手の9二角(52手目)から森内が反撃に転じ、戦いは白熱した。しかし、昼食休憩再開後の3八銀(58手目)からの攻めがやや単調だったようだ。持ち駒を羽生に渡してしまい、居玉だった森内玉が急に危なくなり、控室も形勢は「羽生有利」と判断するようになった。

 森内は7六銀(74手目)と羽生玉に迫ったが、4二角から羽生は即詰みを読み切っており、森内に粘る余地を与えなかった。

 羽生がうまく局面をまとめて勝利したことについて解説の飯島栄治七段は「羽生王位の手厚い4八金打(53手目)の受けが、森内名人の無理気味の攻めを誘発した」と語った。

 第3局は羽生が3連勝で追い込むか、森内が意地をみせて巻き返すかの大勝負となる。【山村英樹】

 羽生王位の話 昔似た将棋を指したことがあり、3六銀(29手目)を試したかった。1日目は2三歩(51手目)が重い形なので成算はなかったが、どう指していいのか分からなかった。2日目も怖い局面が続いて際どい勝負と思ったが、最後に詰みが見えた。

 森内名人の話 序盤は追随していこうと思った。3六銀に対し穏やかに指す手もあったけれども、本譜では強く対応した。攻めを急がされる展開で、3八銀では少しまずかった。その前の4五歩(54手目)もチグハグになった。

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