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米専門家「日米で対中に温度差」
4月23日 20時54分

日米首脳会談を前に、アメリカの国際政治学者で世界各国の地政学的リスクの分析を専門とするイアン・ブレマー氏はNHKのインタビューに対し、「日米間で中国に対する考え方の温度差が潜在的に問題になり得る」と指摘し、会談で両首脳が中国に対し、一枚岩の姿勢を示すことが重要だとの考えを示しました。

リーダー不在の世界秩序を「Gゼロ」と名付けたことで知られる国際政治学者のブレマー氏はインタビューで、台頭する中国との関係について「安倍政権は中国を大きな脅威とみなし何とかしなくてはと考えているのに対し、オバマ政権は外交に消極的で温度差がある。日米間で潜在的な問題につながるおそれがある」と指摘しました。
そして去年11月、中国が沖縄県の尖閣諸島上空を含む東シナ海の広い範囲に防空識別圏を設定したときの日米の対応の違いに触れ、「中国は日米に立場の違いがあるとみてそれを利用している」と述べ、こうした事態を避けるため、日米首脳会談では、中国に関する公式の発言や声明の表現をすりあわせ、一枚岩の姿勢を打ち出すことが重要だとの考えを示しました。
一方、ブレマー氏は、ロシアがウクライナのクリミア自治共和国を一方的に編入したように、中国が東シナ海で力を背景に現状を変更しようとする可能性について、「中国は、仮に軍事侵攻すれば、アメリカが日本の味方に付くと分かっている。もっと少しずつ、現状を変更しようとするだろう」と述べ、中国は時間をかけて段階的に現状変更を試み、その間に対米関係を改善して、日米の分断を図ろうとするという見方を示しました。

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