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ミニ物語~さっちゃん~

作者:凪夜 流歌
※グロ表現注意
『さっちゃんはね さちこっていうんだほんとはね
だけどちっちゃいから自分のことさっちゃんって呼ぶんだよ
おかしいな さっちゃん』
『さっちゃんはね バナナが大好きほんとだよ
だけどっちっちゃいからバナナを半分しか食べられないの
かわいそうね さっちゃん』
『さっちゃんがね 遠くへ行っちゃうってほんとかな
だけどちっちゃいから僕のこと忘れてしまうんだろう
さびしいな さっちゃん』

ずっと昔の話。
通っている小学校からの帰り道。
近くの公園で小さな子どもたちが笑いながら歌っていた『さっちゃん』
私は、その歌の本当の意味を知らなかった・・・。


水島高校A組。
「ねえ、ユズどおしたの?ぼ~っとしちゃって」
友達のカズミが私の顔を覗き込んで話しかけてきた。
「あ、カズミ。・・・・あのね、昔のことを思い出していたの。
さっちゃんの歌ってあるじゃない?あの歌を思い出してたの」
「ああ、さっちゃんはね~のあれね」
「あの歌、4番あるって知ってる?」
「え、あの歌4番なんてあるの?」
「うん。それが・・・その4番の歌ね。歌うと歌詞の通りに死んじゃうんだって」
「うっそだぁwどんな歌よ」
言ってみなさい!とカズミは楽しそうに私の頭を小突いた。
「いやよ~。死にたくないもん」
真面目に言ったのだが、なぜかカズミは私の返答を聞いて笑っている。
「歌を歌ったぐらいで死にやしないわよ!さあ言いなさい!白状しろーー!」
カズミは私の肩をゆすりせかしてくる。
仕方がないので教えることにした。
もちろん、歌うのはイヤなので紙の切れ端に書いてカズミに手渡した。
「ふうん、これねぇ・・・。えっとぉ・・?『さっちゃんはね、踏切で右足をなくしたよ だからお前の足をもらいに行くよ 今夜だよ行くよ』誰がつくったのかしらこんな歌詞」
カズミはさっちゃんの歌に合わせさっき渡した歌詞を歌った。
「ちょっとカズミ!だめよ歌っちゃ」
「遅いわよ。もう歌っちゃったもん」
くすくすと笑いながらカズミは自分の机へ戻って行った。


次の日、クラスにカズミの姿はなかった。
昨日の夜、踏切で自殺したと先生が報告してくれた。
カズミの体は電車で轢かれバラバラになっていたらしいのだが
一つだけ、何度探しても見つからない部分があったらしい
あの、さっちゃんの4番の歌詞の通りに右足だけが・・・。
4番目の歌詞、話を書きやすくするために少し変えて書いています。本当の歌詞が知りたい方は自分で調べてください^^w

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