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朝日新聞が「一般社員も残業代ゼロ」報道 「悪質な煽り」と批判も

朝日新聞が「『残業代ゼロ』一般社員も 産業競争力会議が提言へ」という見出しを掲げた記事が話題になっている。記事の前文(導入部)では、

「政府の産業競争力会議は、労働時間にかかわらず賃金が一定になる働き方を一般社員に広げることを検討」
「仕事の成果などで賃金が決まる一方、法律で定める労働時間より働いても『残業代ゼロ』になったり、長時間労働の温床になったりするおそれがある」

と記し、労働者にとって危険な動きであると警告している。

読者は「奴隷と同じ」「働き蜂よりひどい」と怒りの声

現在の労働基準法では、株主から経営を委託された取締役や、部下をマネジメントする「管理監督者」には労働時間に関する規制が適用されず、残業代は出ない。その代わり、労働時間に関する自己裁量があるため、いわゆる「重役出勤」も可能だ。

一方、管理監督者以外の労働者には労働基準法が適用され、時間外労働や休日出勤には、その時間分の賃金と、割増賃金が支払われる必要がある。

朝日新聞の記事を読んだ人たちからは、「普通のサラリーマンも労働基準法の適用除外になる」「残業しても残業代が支払われなくなる」「経営者は労働者を働かせ放題だ」と理解したようだ。ツイッターには4000を超える怒りの声が猛然とあがっている。

「残業代ゼロで労働をさせるなんて奴隷と同じですし、事実上の強烈な賃下げですので景気への影響も深刻でしょうね」
「え。もう何言ってんの。働き蜂よりひどいわ。言っとくけど、企業を支えているのは、たくさんの人間の労働力なんだよっ」

また、記事には「企業には人件費を抑えたり、もっと効率的な働かせ方を取り入れたりしたいという要求がある」と、暗に安部首相が大企業の求めに応じているかのような記述もあり、首相批判もあがっている。

年収1000万円以上は「わずか3.8%」

一方、このような報道に対し「悪質な煽り」と反論する声もある。

提言の議論において「残業代ゼロ」の対象とされたのは、「年収1000万円以上の社員」と「労働組合の合意で認められた社員」のみ。それも「社員本人の同意を前提」としている。

一方、インターネットに配信された朝日新聞の記事では、図表や最終段落に「年収が1千万円以上など高収入の社員」という記述があるが、見出しや前文の激しさに打ち消されている。

2013年の国税庁の調査によると、民間労働者の中で年収1000万円以上の人の割合は3.8%。おそらくツイッターで気炎を上げている人たちには縁のない世界だ。同じ内容を伝える毎日新聞では、提言を「新たな労働時間制度案」とし、

「働き方や労働時間の配分を個人の裁量に委ねる」
「給料は仕事の成果、達成度のみに応じて支払う」

という提案がなされるという内容になっていて、「残業代ゼロ」の朝日新聞との記述に大きな違いがある。

個人の裁量が増えるということは、決められた成果さえあげていれば、いつ出社してもよいということになり、残業という概念がなくなる。収入は同じでも、現状より労働時間が短くなる人もいるはずだ。

困るのは新聞などのマスコミ業界なのでは?

そもそも年収1000万円といえば、外資系企業や大手金融会社、それにテレビや新聞などのマスコミ業界が思い浮かぶ。嘉悦大学の高橋洋一教授はツイッターで、

「この対象(編注:残業代ゼロ)は数%くらい。(中略)年収で切るとテレビ局社員が対象になるのから反対?」

と疑問を呈している。

また、提言のような労働時間規制の緩和がなされることで、「残業代目当ての長時間労働がなくなる」「早く帰るために生産性を上げようとする」「残業代を支払わなくていい分、基本給が上がる」といった指摘もある。

経済学者の池田信夫氏はコラムで、こうした制度改革を「残業代ゼロ」という言葉で足を引っ張る朝日新聞を「悪質」だと言っている。ツイッターでは、ルソーの「奴隷は彼らの鎖の中ですべてを失ってしまう。そこから逃れたいという欲求まで」という言葉を引きながら、

「こういう批判をするのは会社に拘束されて残業代をもらうのがうれしい社畜」

と、痛烈に批判している。

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