オバマ米大統領来日:厳重警備でピリピリ…宮内庁

毎日新聞 2014年04月22日 20時56分(最終更新 04月22日 23時27分)

 米大統領としては18年ぶりに国賓として来日するオバマ米大統領。24日の歓迎行事や宮中晩さん会など「もてなす」立場の宮内庁は、通常の国賓とは段違いの警備ぶりに「行事の成功に影響しなければいいが」と気をもんでいる。

 オバマ大統領は24日午前、皇居・宮殿の東庭である歓迎行事に臨む。通常、国賓は御料車(天皇専用の自動車)に乗って宿泊先から宮殿に到着するが、今回は米国側が用意する特殊装備のリムジンを使う。

 車列にはリムジンに加え、警備車両、無線車、救急車など米国側が自前で空輸した車両30台以上が連なるという。前後には警視庁のパトカーなどが警護として付くため全部で50台近く、長さは数百メートルになるとみられる。警備当局には「都心での交通規制が円滑にできるかどうか」と不安視する声もある。

 また、大統領が乗ったリムジンが宮殿に到着しても、車列の最後尾は約数百メートル離れた皇居・正門に入門していない可能性が高く、「宮殿から鉄橋、正門の外まですべて車で埋まっている状態」(警備関係者)が想定されるという。

 宮内庁関係者は「歓迎行事がスタートしても、東庭に着けない車両で騒がしく、混雑などで雰囲気を壊してしまうのではないか」と不安げだ。

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 宮内庁によると、オバマ大統領に対する主な国賓行事は、24日の歓迎行事▽続いて行われる皇居・宮殿「竹の間」での天皇、皇后両陛下との会見▽同日夜の両陛下主催の宮中晩さん会▽両陛下がオバマ大統領の宿泊先を訪ねる25日の「ご訪問」−−の四つだ。

 宮殿・豊明(ほうめい)殿で行われる宮中晩さん会の招待者は安倍首相夫妻や閣僚メンバー、日米の関係者ら205人。21日現在で169人が出席の見込みで、「1998年の金大中(キムデジュン)韓国大統領の際の167人を抜いて、平成以降では最多」(宮内庁)という。

 招待者の中には両陛下の長女の黒田清子夫妻や米大リーグで活躍した元プロ野球選手の野茂英雄夫妻、「建築界のノーベル賞」と言われる米プリツカー賞の今年の受賞者に決まった建築家の坂茂(ばんしげる)夫妻も含まれ、フランス料理がふるまわれる。【真鍋光之】

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