取調室から逃走 懲役4年04月21日 18時37分
去年10月、仙台中央警察署で取調中に逃走したなどとして、逃走や傷害などの罪に問われたドイツ人の男に、仙台地方裁判所は懲役4年の実刑を言い渡しました。
ドイツ人の大学生シューツ・ペトロ・ウラジミロビッチ被告(25)は去年10月、仙台市内のホテルで従業員2人を殴るなどして大けがをさせた疑いで逮捕され、仙台中央警察署で取り調べ中に逃走したなどとして逃走や傷害などの罪に問われました。
21日の判決で、仙台地方裁判所の須田雄一裁判官はウラジミロビッチ被告に懲役4年の実刑を言い渡しました。
判決の理由で須田裁判官は「取り調べ中の逃走は、法律を守ろうという意識が著しく低いと言わざるをえない。ホテルでの傷害も被害者の1人が全治6か月半の大けがをする結果も重大だ。被告は法廷で謝罪のことばを述べているが、刑事責任は重大で、実刑が相当だ」と指摘しました。
ウラジミロビッチ被告は、まっすぐ裁判官を見つめて判決を聞き、刑の重さの理由が説明されている間は、うつむき気味にずっと下を向いていました。
今回の裁判では、被告が再び逃走を図るなどの事態に備えて、通常より4人多い7人の刑務官が法廷で被告を取り囲んだほか、裁判所も法廷の内外に10人ほどの職員を出して厳重な警備態勢を敷きました。
【事件後 改善策示されず】
この事件のあと、宮城県警察本部は、去年12月、取調中の容疑者の逃走を防ぐ対策として、腰縄の結び目をこれまでよりも増やすよう指導することなどを決めました。
一方で、逃走から事実の公表まで1時間以上かかるなどして地元の自治体などから情報の公表が遅いと批判が出た点など、県警全体の問題については、いまも改善策などは示していません。