旅客船沈没:タイタニック号と優先救助順位が逆

乗務員の生存者比率、タイタニック号23%に対しセウォル号は79%

 セウォル号とタイタニック号を比べてみよう。セウォル号は乗務員29人のうち23人(79.3%)が救助された。23人のうち20人は男性だった。セウォル号での脱出の順位は「男性乗務員>女性乗務員>乗客」で、タイタニック号とは正反対だった。とりわけ、船の運航に際し責任を有する「船舶職」の乗務員15人は全員が生き残った。

 時間や地形、水温といったあらゆる条件を考慮しても、セウォル号ではタイタニック号よりはるかに多くの人が生き残ってしかるべきだった。タイタニック号は午後11時40分、海岸から640キロ離れた北大西洋で沈没した。午前8時45分に事故を起こしたセウォル号は、最も近い観梅島と3キロしか離れていなかった。

 タイタニック号が沈没した現場の水温はマイナス2度で、成人でも10分以内に死亡するほどの温度だったが、セウォル号が沈没した現場の水温は11度で、成人なら数時間は持ちこたえることができた。また、タイタニック号が沈没した現場の水深は3800メートルだったのに対し、セウォル号沈没現場は37メートルだった。タイタニック号は完全に沈没してから1時間30分後に救助船が現場に到着したが、セウォル号は事故を起こしてから55分後、まだ沈没していなかったときに救助船が到着した。

 さらにセウォル号は、この100年間に人間が開発したヘリコプターや高速艇、1秒で自動的に開く救命艇など、最先端の機器によって救助が可能な状態だった。ところが、そのあらゆる「現代の技術」をもってしても、セウォル号は多くの犠牲者を出した。それはなぜだろうか。タイタニック号には自分の命よりも任務や名誉を第一に考える船長と乗務員がいた一方、セウォル号はその逆だったためだ、と外国メディアは報じている。

ウォン・ソンウ記者
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