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経済
【ビジネスの裏側】サポート切れ「XP」狙い撃ちのサイバー犯罪者も、危険すぎる「窓割れた家」…自己責任では済まぬ、取引先に「ウイルス」送ってしまう恐れも
米マイクロソフト(MS)は今月9日、日本国内の数百万台のパソコンに搭載されているとされる基本ソフト(OS)「ウィンドウズXP」のサポートを終了した。安全上の弱点が見つかっても修正されず、使用し続ければ個人情報や企業機密の漏洩(ろうえい)につながるウイルス感染の危険が高まる。しかし、財政事情の厳しい中小企業や自治体では現実に移行が遅れており、サイバー対策の“格差”が問題視されている。
40台取り換え300万円、しかも間にあわず…
「まさか、ここまでのコストを背負わされるとは…」
大阪府内の中小検査機器メーカーの男性社長はため息をついた。同社は長年、開発中の商品や取引先の連絡先・担当者名などを管理するため、ウィンドウズXP搭載の業務用パソコン約40台を利用。先月中旬、全てのパソコンを取り換えるため、近隣の量販店などに別のOSのタブレット型端末や据え置き型のパソコンを発注したが、約300万円の費用がかかったという。
コストよりも辛いのが、“想定外”の導入の遅れだ。XPの移行の影響で新パソコンの発注が相次いでいるためか、商品が予定通り届かないトラブルが発生。サポート終了の今月9日までに全パソコンを入れ替えられるはずだったが、実際に届くのは今月末になりそうだという。
導入までは既存のXPパソコンを使用しなければならず、前述の社長は「重要なデータを守るために、何の手立てもできない。本音をいうと恐ろしいが、そうそうハッカーに襲われることはないと鷹をくくるしかない」と打ち明ける。
「XP使い続けるなら、ネットはダメ」と言われても…
XPは、MSがインターネット普及時期の2001年に発売以来、安定した動作で人気を集め、世界中に広まった。ウイルス感染などを防ぐ「修正プログラム」を定期的に配布するサポートを実施していたが、今月9日に終了。最新ソフト「ウィンドウズ8・1」への移行を呼びかけている。
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