環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の日米協議をめぐり、甘利明TPP相は22日午前の記者会見で、「まだ私自身はかなりの距離感を感じている」と述べた。24日の日米首脳会談で農産品5品目の関税引き下げ幅などを具体的に定める「大筋合意」に達するのは困難との認識を示したものだ。

 オバマ政権は今回のアジア歴訪でTPPを成果の一つにしたい考えだが、TPPの日米協議では、牛・豚肉の関税引き下げなどを巡って協議が難航。米国側が大幅譲歩しない限り、日米が一致するのは厳しい情勢となっていた。

 米通商代表部(USTR)は21日、フロマン代表が22日からのオバマ大統領のアジア歴訪に同行すると正式発表した。甘利氏はフロマン氏との会談について、21日に東京で再開した日米実務者協議での「進展度合い」によっては、フロマン氏と「自然体で会うことはあろうと思う」と語り、再協議する可能性を示唆した。

 またTPP参加国が来月、閣僚会合を開く可能性について、甘利氏は「交渉が煮詰まっていない段階で開くと悲惨なことになる」と述べ、日米協議の進展が必要との立場を強調した。(村山祐介、ワシントン=五十嵐大介)