3、4月にコスタリカで行われた17歳以下女子ワールドカップ(W杯)で、日本代表が初優勝に輝いた。日本を沸かせた「リトルなでしこ」の中心メンバーに、セレッソ大阪の女子のトップチームの選手2人がいる。「セレッソ大阪堺レディース」の西田明華(16)と松原志歩(16)だ。

 松原は予選リーグで2ゴールを決めた。スペインとの決勝戦で先制点を挙げたのは西田だった。前半5分、松原のミドルシュートがGKにはじかれたが、ゴール前に詰めた西田が右足でネットを揺らした。

 2人が大舞台で活躍できたのはなぜだろうか。

 「セレッソでスタミナを鍛えてよかった」と2人は口をそろえる。外国人選手は体が大きく当たりが強いが、それに負けないパスワークや運動量を目指してきた。W杯ではそれが通用したという。実は、2人のスタミナは日本代表の中でも抜けている。20メートルあるポール間を全速力で往復するトレーニングをすると、最も多い回数を走れたのが松原、2番目が西田だった。

 中学から高校生までが在籍する堺レディースは、昨季なでしこリーグの2部、チャレンジリーグに参入した。高校生は通常30分ハーフだが、多くが社会人チームの2部リーグでは、45分ハーフを戦う体力が必要だった。心肺機能が発達する中学から高校生の時期に、トレーニングは欠かせない。練習中はほとんど休むことなく走り、実戦の感覚を養うため、男子のユースチームと練習試合を重ねてきた。昨季は16チーム中13位で残留を決めた。

 2010年にチームができてから、外部から有力選手を引き抜かず、生え抜き選手中心で戦う方針を貫いてきた。1期生でチーム最年長の西田と松原が活躍し、ようやく花が開いてきた。竹花友也監督(39)は「チームの中の目標となる選手が出てきたことは後輩にとっても良い刺激になっている」と話す。