村上隆×片桐孝憲 対談──pixiv Zingaroから3年を経た中野とアートシーン
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左:片桐孝憲さん 右:村上隆さん カイカイキキ三芳工場にて
pixiv Zingaroは「pixivに集まる才能のリアルな交流と発表の場」として設立されたギャラリー。新しいクリエイティブが生まれる土壌となることを目的とし、イラストや絵画をはじめ立体物・写真・ファッションなどジャンルを問わず、常に新鮮かつ刺激的な展示や企画を発信してきた。
一方この3年の間に、pixivのユーザー数は1000万人の大台に達し(2014年2月)、さらには新規会員登録の内訳も海外ユーザーの割合が急増しているという。これはマンガやアニメ、ゲームなど、日本ならではのポップカルチャーに根ざしたpixivが世界から注目を浴び、そこに巨大なマーケットが潜在することを示していると言える。
こうした背景のなか、実際にpixiv Zingaroではどのような展示が行われていたのか。また、その“現場”では何が起きていたのか。村上隆さんと片桐孝憲さん(ピクシブ株式会社代表取締役社長)との対談から、pixiv Zingaroの3年の歩みを振り返ってみたい。
カイカイキキとpixiv、なぜ出会ったか?
──カイカイキキとpixivの協業で生まれた「pixiv Zingaro」がオープンして3年が経ちましたね。おめでとうございます。まずは、お二人の出会いからお聞かせ下さい。片桐 片桐 2010年の6月末くらいですかね。村上さんに、pixivがはじめて主導して行ったイラストコンテスト「P-1 GRANDPRIX」の審査員をお願いできないかとメールを送ったんです。すぐにOKのお返事をいただいて「キター!」って喜んでいたら、いきなり「台湾でpixivの展覧会をやりましょう(※)」と連絡をいただいたんです。それで速攻で準備して
【P-1GRANDPRIX】(2011-13)
pixiv Zingaroでは、pixivで毎年行われているイラスト新人賞「P-1GRANDPRIX」の予選を通過した50名の候補作をWebに先行して展示。来場者は会場の投票用紙から審査に参加することも可能と、ユーザー参加型イベントの試みにもチャレンジしている。 http://pixiv-zingaro.jp/exhibition/p1-grandprix2013/
村上 そうでしたねえ。あの頃は元気あったなあ(笑)。※pixiv展覧会 In Taipei Produced By Kaikai Kiki Gallery Taipei(2010/07/30 - 08/24)
http://taipei.gallery-kaikaikiki.com/category/exhibitions/ex_group/pixiv_ex/
片桐 そのあと秋にニューヨークのオークションとかに連れて行ってもらって。初めてちゃんとしたギャラリーで写真を買ったんですよ。そこで「アートの作品を買うって自分にも起こりうることなんだ!」って。それまでは観ることはあっても「作品を買う」なんて発想はありませんでした。
村上 天下のGagosian Galleryが人生初の作品購入(笑)。
片桐 それから中野ブロードウェイにある村上さんのギャラリー・Hidari Zingaroにもよく行くようになって。
村上 ちょうどpixivでも活躍しているような、ネット系作家の作品も多かったんですよね。
片桐 そんな流れがあって。あれは……2011年の1月くらいかな。多摩川で釣りをしていたら、村上さんから「一緒にギャラリーやりませんか?」って電話がかかってきて(笑)。それはもう、ぜひやりましょうと。
村上 すごいね。もう3年になるんだ。
──村上さんがpixivと一緒にギャラリーをやりたいと思った理由は?
村上 一言で言えば、勝ち馬に乗れってことです!(笑)。若い作家で出てきたのは、みんなpixiv出身だったし。とにかく元気いいんで、これは乗らなきゃと。《物語シリーズ》(西尾維新・著)の原作でキャラクターデザインや装画をしているVOFANさんと台湾で直接お会いしたときも、pixivすごくいいですよって言っていて。もちろん片桐さんとお会いして面白そうだったっていうのもありますよ。ホントお世話になっています。
片桐 まず中野という場所が、盛り上がってますよね。
村上 pixiv Zingaroができてから、中野ブロードウェイにメイド喫茶(「黒猫メイド魔法カフェ 中野店」)もできたし「らしんばん(中野店)」も来たし。シャッター通りだった2階のどん詰まりのエリアが、いまや目抜き通りみたいになっちゃって。元はといえば、もっと中野を盛り上げたいってところからはじまっているんです。
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