PTA:役員決めは罰ゲーム? やらない人はトイレ掃除も

毎日新聞 2014年04月21日 19時15分(最終更新 04月22日 10時00分)

イラスト・日比野英志
イラスト・日比野英志

 もちろん、改革に乗り出すPTAも増えている。「入退会自由」をうたい、活動内容を見直したり、行事ごとにボランティアを募ったり、地域の人々を巻き込んだ「学校応援団」を作ったり……。

 埼玉県の中学でPTA改革を模索する40代の父親は「抱える問題は多いですが、PTAのような形の組織はあった方がいいし、役員をやって良かったとも思うんです。だから多くの人が参加したくなる民主的な組織にしたい。そうすれば『やらない人はずるい』なんて嫌な言葉も出てこなくなるのでは」と目標を語る。

 東京都の母親(53)はこの春も下の子の高校でクラス役員を引き受けた。「活動に参加すると、『息子の学校』でしかなかった学校に愛着がわき、もり立てたい気持ちになる」とやりがいを語る。

 戦後、連合国軍総司令部(GHQ)の指導でスタートしたPTA。教師と親が手を携え、対等な立場で学ぶ場で、「民主主義の学校」と呼ばれた時期もある。

 大日向教授はいう。「民主的な学校運営のために、PTA的な機能はやはり必要です。ただ今のPTAは専業主婦を前提とした高度成長期のシステムで、すでに制度疲労を起こしています。忙しい現役世代の保護者だけで活動を担うのはもはや無理なんです」

 そこで提案するのはPTAならぬ「GPTA」。「地域の団塊世代、つまりGP(グランドペアレント)にもPTAにボランティア参加してもらっては? 今の時代に求められているのは、子供や親を地域や社会が応援すること。保護者だけに、まして母親だけに押しつけるような組織ではダメ。学校にもPTAにも新しい風が必要です」

 たかがPTA、されどPTA。民主主義を学び直すつもりになれば、役員選びも楽しく……ならないでしょうか?

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