2014年4月22日16時22分
【午後3時20分】現地の大盤解説会に出演し、しばし休憩中の井道千尋女流初段に「喜多方ラーメンプリン」の味見をしてもらった。食していただいた後のレポートは、「美味しかったです! 味覚と視覚のギャップのすごさに、テンションが上がりました」と笑顔でした。(佐藤圭司)
■おやつ~「洋」の名人、挑戦者は「和」~
【午後3時】おやつが両対局者に運ばれた。地元の「お菓子の蔵 太郎庵」の6品が用意されていたが、森内名人は「喜多方ラーメンプリン」、羽生挑戦者は「熱塩(あつしお)加納産有機米みたらし団子」と「塩豆大福」のセットを選んだ。
「これは話題になるかも」と関係者が盛り上がっているのが、喜多方ラーメンプリン。喜多方ラーメンに見立てたプリンだ。紅茶のゼリーの下は、モンブランクリームと生クリーム。ナルトとチャーシューはチョコレート。ネギはピスタチオ、とのこと。
ちなみに喜多方ラーメンプリンは420円。みたらし団子は108円、塩豆大福は129円。(佐藤圭司)
■大盤解説会、始まる
【午後2時30分】対局場の熱塩温泉山形屋では大盤解説会が開かれている。真田圭一七段と井道千尋女流初段らが、封じ手の局面までリアルタイムで解説する。
2局連続で相懸かりになった今回の七番勝負。真田七段は「羽生さんは普段の対局であまり相懸かりをやらない。羽生―森内戦だからなのでは」と、このカードならではの事情があると推測。さらに「羽生さんの(29手目)▲3六銀は鎖鎌銀と呼ばれる非常に古い形。さらに(攻めを狙う)▲2五銀で妥協できない展開になりました」と解説した。1日目から前例のない、激しい展開に進んでいる。
大盤解説会は23日も午後1時から終局まで開かれる。参加料は1千円。(村瀬信也)
■対局再開
【午後1時30分】「時間になりました」と記録係の伊藤和夫三段が告げて、対局が再開した。対局室には羽生挑戦者だけ。しばらく考えていたが、ほどなく37手目▲3八角と指した。副立会人の三浦弘行九段も予想していた、森内名人が羽生挑戦者の陣に打ち込んだ4七角を盤上から消しに行く手だ。しばらくして森内名人も入室した。(佐藤圭司)
■1日目の昼食は
【午後0時30分】昼食休憩に入った。
両対局者に用意された献立表は「喜多方の名店『一平』 喜多方ラーメン(醬油)」「会津産そば粉100% 手打ち天ぷらそば(温)」「手打ち天ぷらそば(冷)」「会津地鶏使用 親子丼」「会津エゴマ豚使用 会津名物! ソースカツ丼」と地元色豊かな品々がズラリ。
森内名人は「ソースカツ丼」、羽生挑戦者は「喜多方ラーメン」を選んだ。
ちなみに喜多方ラーメンは、ラーメン一平を1994年に開業した小枝利幸さん(46)がわざわざ山形屋に出張して作ってくれる特製品。「オーソドックスな喜多方ラーメンです。スープは和風醬油味。あっさりしていて、こくがある。豚肉や魚介類など厳選された素材を使っています。麺は、喜多方特有の多加水麺。手もみして、手間をかけているので、口当たりがなめらかなはず」と話してくれた。(佐藤圭司)
■対局の舞台は
第2局の対局の舞台は、福島県喜多方市の熱塩(あつしお)温泉「山形屋」。両対局者らは前日、東京駅から東北新幹線に乗り、郡山駅で下車。バスで現地入りした。満開の桜が東北に春を告げていた。
熱塩温泉への近隣都市からの車でのアクセスは、郡山から約70分、会津若松から約40分、米沢から約40分とのこと。
熱塩温泉は、地元の示現寺を永和元年(1375年)に開いた源翁(げんのう)和尚が神託を受けて開湯したという言い伝えが残っている。名前のとおり、摂氏65・5度と熱く、塩分が強いのが特徴だ。近郷の人々の湯治場としても古くから有名だ。
山形屋は六百三十数年続くという老舗旅館。山形屋の小林修営業部長は「山の方(角)にあることから、もともとは山方屋という屋号だったそうです。そこから派生して現在の山形屋という名前になったそうです」と話した。(佐藤圭司)
■戦型予想が的中
対局開始に先立ち、21日夜には福島県喜多方市の熱塩温泉山形屋で前夜祭が開かれた。将棋ファンや佐藤雄平知事を含む地元の関係者ら約150人が参加した。
両対局者は喜多方に来るのが初めてという。羽生善治三冠は「(車窓から眺めた景色が)日本の原風景なのだなと思った」、森内俊之名人は「自然豊かなところだと思った」と印象を語った。
両者が退出後、中村修九段らが本局の見どころを語った。
戦型について副立会人の三浦弘行九段は「矢倉が3割、角換わりが2割、相懸かりが2割、その他が3割だと思います」と分析。一方、もう一人の副立会人、飯島栄治七段は「2局目も相懸かり。(1局目も2局目も相懸かりになった)前期と同じような流れになるのでは」と予想した。
ふたを開けてみると、羽生三冠の選択は相懸かりだった。予想が的中した飯島七段は、控室で笑顔で局面を解説している。(村瀬信也)
■羽生、手を変える
【午前10時00分】戦型は第1局と同じ相懸かりになった。21日夜の前夜祭で今日の戦型が話題になった際、挙がっていた候補の一つだ。
ただ、15手目▲9六歩で第1局の進行と別れを告げた。第1局では▲2七銀と上がり、後手が9筋の位を取る形になった。前例と離れたためか、両者慎重に考える場面が目立っている。
森内俊之名人に羽生善治三冠が挑戦した昨年の七番勝負も、第1局、第2局共に相懸かりに進んだ。その2局は森内名人の連勝。今年の第1局は羽生三冠が勝ったが、今年はどうだろうか。(村瀬信也)
■第2局始まる
【午前9時】森内俊之名人(43)に羽生善治三冠(43)が挑戦する第72期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛)の第2局が22日、福島県喜多方市の熱塩(あつしお)温泉山形屋で始まった。
羽生三冠が初戦を制して迎えた第2局。定刻になり、立会人の中村修九段が対局開始を告げた。先手の羽生三冠が指した初手は▲2六歩。以下、第1局と同じ相懸かりに進んでいる。
持ち時間は各9時間。対局は22日夕に中断され、23日朝に再開して同日夜までに決着する見込み。(村瀬信也)
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