2014-04-22
■[日記]「ラノベファンに質問がある」とか言ってんじゃねえぞバカ野郎め!
●ラノベしか読まない?他の小説は読む?それは何故?どこに魅力を感じている?
お前の心を読んでるよ!常時無条件発動なパッシブスキルのため仕方なく。魅力はゼロだな。
●ラノベファンはラノベを一般娯楽小説(定義付けのために一般と称しているだけ)と同じだと思っている?
腹に入っちまえばなんでも同じだなあ。オレサマラノベマルカジリ!(魔獣:ヤギ)
●ラノベで、パロディ要素が殆どを占めるようなものはどう思っている?
人間が神のパロディである以上、人間が書く小説もパロディからは逃げられない。
●ラノベは何故ジャンル分けされない?ライトノベルという呼称は既に不要ではないか?
ラノベの民は常に一つ!大ラノベ帝国を割ることなど決して許されぬ!ラノベの名を汚す者に災いあれ!
このぐらいでいいんだよ。こんな質問に対する答えなんて。
以前読んだ青春ミステリに、若竹七海『スクランブル』という女子校を舞台にした作品があって。
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かなり前に読んだので記憶が曖昧なのだけど、この中に、クラスで浮いているオタク少女のところに委員長だかなんだか(非オタ)がニュータイプやらアニメージュやらをわざわざ持ってきて「わたしあなたとお話がしたいの」みたいなことを大真面目に言うという、うげーなシーンがある。実際オタク少女の反応も、うげーというものだった。しかし、この委員長は恐らく自分の行動の何がそんなに吐き気を催させるのか決して理解できないだろう。同様に、オタク少女の感覚が理解できず、首を傾げる読者も存在するはずだ。
なんとなく、元増田はその一人ではないだろうかと感じた。
増田が、真面目に最近のラノベ読者に対して興味があり、理解したいと思っているのであろうことは分かる。特に揶揄や嘲笑の意図がないことも。だからこそ、既に多くのラノベファンが質問に素直に答えているのだろうし、それはそれで別にいい。
ただ、わたし自身はその流れには乗りたくない。「最近のラノベ」つまり作品そのものではなく、「最近のラノベを消費している人々(が何を考えているか)」についての好奇心というのは、基本的に卑しいものなのだ、と訴えていきたい。「人間」なんてどうでもいいだろ。「相互理解」とかくだらねえ。そんな暇あったら「最近のラノベ」読んどけボケが。
もう言いたいことは言ったが、これだけだとまるで自分が狂犬みたい*1なので、仕方ないが真面目な回答も書いておく。
●ラノベしか読まない?他の小説は読む?それは何故?どこに魅力を感じている?
この文なにか違和感あると思ったら、最後の質問が「ラノベの」魅力を聞いてるんだな。最初の質問に「ラノベしか読まない」と答えること前提じゃねえか。
読書全体の中で小説が99パーセント。小説の中ではラノベが9割。ラノベ以外では主にミステリを読む。ごく稀にSF。
自分にとってのラノベの魅力は、ラノベでしか書けないこと(題材にしろ、手法にしろ)が「まだ」ある、ということに尽きる。SFやらミステリやらファンタジーやら、ジャンルだけ取り出せばそりゃあ一般でも書けるだろうが、それと「ポップな文体」や「イラスト(を取り入れた演出)」や「美少女」や「パンツ」や「おっぱい」や「王子」などを組み合わせた小説は、今のところラノベプロパーのレーベルでしかほぼ出せない。ラノベを読まない人間が思うほど、ラノベ以外の小説は自由ではない*2。
●ラノベファンはラノベを一般娯楽小説(定義付けのために一般と称しているだけ)と同じだと思っている?
質問の意味がよく分からない。「ラノベは小説か?」の方が適切ではないだろうか。そのつもりで答える。
ラノベは小説だ。外からはどんなに奇形的に見えていたとしても、あくまでも文章が主である小説の一カテゴリーに過ぎない。今のところ、良くも悪くも「小説以外の何か」に進化したりはしていない。残念ながら。
●ラノベで、パロディ要素が殆どを占めるようなものはどう思っている?
これもよく分からない。「殆どを占める」とはどういうことだろうか。「殆ど」というからには実際に作品を読んで判断したことになるが、増田は「最近のラノベ」からはほぼ離れているのではなかったのか。まあいい。
題材として大々的に「パロディ」が取り上げられているような作品というのは、読者との共通認識としての「パロディ」部分を基点にして、そこに新たな何かを付け加える、何らかの点で先行作品を乗り越えることが強く求められるものでもある。たとえば「魔王勇者」ものなどがそうだ。「パロディ」だからと言って楽に「乱造」しているなどということはないだろう。数が多い(実際どのぐらいの割合なのかは知らない)ならそこではむしろ競争が激化するし、アニメ化されているということはその厳しい戦いを勝ち上がって来たことを意味する。それだけの何かはある作品だということだ。
パロディにパロディを重ねていくことで過度にハイコンテクスト化する=新規読者が流入しづらくなることへの懸念は分かるが、それがラノベを「小説」から外す理由になるほどのものかと言えば、明らかに違うと断言できる。ラノベに比べれば、たいていの本格ミステリの方がよっぽどハイコンテクストだ。
単純にジョジョの台詞を引用するだけ、といった「パロディ」は、笑いとして質が低いとは思う。でも、今読んでる『猫物語(黒)』で阿良々木さんが無意味に歪曲王の台詞しゃべり出した時はそれだけでゲラゲラ笑えた。ケースバイケース。
●ラノベは何故ジャンル分けされない?ライトノベルという呼称は既に不要ではないか?
よく、分からない。
SFやミステリや恋愛小説といった主に物語内容によるジャンル分け*3を基準に、それぞれ専門レーベルを作るべきということだろうか。あるいは逆に、一般文芸を含むあらゆるレーベルの枠を取っ払って、少なくとも一社一文庫体制*4にしろということだろうか。いずれにせよ、現実的ではない。
読者の側の意識としては、既に「ジャンル分け」は十分に進んでいるような気もする。ラノベを日常的に読むような人間でも、自分が興味のないジャンルについては全く接触がないということは、特に珍しくないのではないか。ラノベ内のSFやミステリが、「SF」や「ミステリ」としてそれぞれの業界で取り上げられることも、決して多くはないがあるにはある。外部の人間にとっての見通しの悪さは、知ったことではない。
そもそもが、一般文芸でも児童文学でもない、ジャンルも偏りはあるにせよバラバラ、しかし「「ライト」という曖昧なもの」だけは「共通の要素」として存在する(としか思えない)この小説群をどう呼ぶべえと先人が知恵を絞って考え出した「ライトノベル」という名前を、「ファンタジー、恋愛、ギャグ(?)、ミステリと内部で全く違うカテゴリがある」から「既に不要」などと言い出すのは、完全に本末転倒ではないだろうか。忍者にラブコメにバレーと、内側にジャンルが色々あっても、ジャンプはジャンプ(少年漫画)だろう?
かつてラノベが児童文学やSFやその他一般文芸から独立したように、将来ラノベ(を含む領域)内から新たなカテゴリが分離することは当然あり得る。しかしその場合でも、既存の特定の物語ジャンルではなく、曖昧な「空気」が基準になるのではないか。具体的には、メディアワークス文庫のように(それ自体がまったくの新カテゴリだとは言わないが)。
これで、全ての質問に答えた。全体的に、他人に質問を投げ掛ける前に、自分の中で何が疑問になっているのかを改めて整理するべきなのではないかと感じた。あるいは……やっぱり「最近のラノベ」読んどけボケが(結局はこれ)
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