世界戦の記者会見でポーズをとる、WBCバンタム級王者の山中慎介(左)と挑戦者のシュテファーヌ・ジャモエ=大阪市で
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ダブル世界戦の会見が21日、大阪市内のホテルで行われ、WBC世界バンタム級王者山中慎介(31)=帝拳=は「メーンに見合った試合をお見せする」と自信満々に話した。また、防衛戦をクリアした後に関して、事実上の国外追放処分となっている亀田ジムのWBO同級王者亀田和毅(22)との統一戦構想も再浮上した。この日は調印式も予定されたが、IBFは立会人の来日が遅れたため、22日に延期となり、WBCだけ実施された。
「感動を与えるか、圧勝であっさり終わるか、それは分かりませんけど、全力を尽くします」
舞台はこれまで経験した会場では最大規模の1万6000人を収容する大阪城ホール。山中にとっては思い出の会場だ。1997年に辰吉丈一郎がこの会場で世界王座に返り咲いた試合をテレビで見たといい、「中学のころだけど、感動した記憶がある。入場して、リングから会場を見渡して、存分に楽しみたい」と話した。
勝敗より、勝ち方が問われる試合。同団体バンタム級では実力は群を抜き、敵なし状態。今回の防衛戦をクリアした後は、階級を上げて海外進出し、スーパーバンタム級王者レオ・サンタクルス(メキシコ)への挑戦も取り沙汰されていた。だが、帝拳の本田明彦会長は「サンタクルスにとって、山中戦はやる価値がない。(やりづらい)サウスポーだし」と発言。めっぽう強いが、世界的に無名な山中との対戦はハイリスク・ローリターン。サンタクルス側が乗り気じゃないようだ。
そこで再浮上してきたのが、WBO王者亀田和毅との統一戦だ。亀田ジムはJBCからライセンス更新されず、国内での試合ができない状態だが、本田会長は「やらないわけじゃない。問題がクリアされれば」と含みのある発言をした。2人は戦う運命なのか。6度目の防衛を果たせば、今度は統一戦実現となるかが注目となる。 (竹下陽二)
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