セウォル号沈没事故で、自分が生き残ることばかり考え、乗客数百人や船を捨ててわれ先に脱出したイ・ジュンソク船長について、米紙ニューヨーク・タイムズは「乗組員の恥」「悪魔」といった表現で強く批判した。
20日付同紙は「1912年のタイタニック号沈没事故以降、船長は船と運命を共にするという誇らしい伝統が乗組員の間で受け継がれてきた」とし、2012年にイタリアのクルーズ船「コスタ・コンコルディア」を捨てて脱出したフランチェスコ・スケッティーノ船長に続き、イ・ジュンソク船長が「タイタニックの伝統」を破壊したと伝えた。同紙はイ・ジュンソク船長がインターネット上で「セウォル号の悪魔」と呼ばれているとも報じた。
タイタニック号沈没から2年後に制定された「海上における人命の安全のための国際条約」は、船長に船と乗客全員の安全に対する責任を負わせている。その後発生した船舶事故の船長は、乗客を忠実に守ってきた。
米経済誌「フォーブス」は、透明さを欠き、義務を果たさない韓国の企業文化をセウォル号の事故の原因として挙げた。
同誌はセウォル号が所属する清海鎮海運のキム・ハンシク代表の実名を挙げ「キム氏は本当に体調が悪いのかもしれないが、韓国の企業文化からみて、責任を逃れるためかもしれない」と指摘した。
同誌はさらに、「韓国の企業経営者はしばしば、同情を買うために、入院中の服装を着たり車椅子に乗ったりして現れる。韓国国民は車椅子に乗った企業経営者に慣れっこだ」とも書いた。
中国紙の環球時報(英語版)は、セウォル号の事故を「韓国の現代化水準を示す試金石」と指摘した。同紙は「発展した国も安全の危機に直面する」と題する社説で「今回の事故は韓国のように現代化した国家の海上安全および緊急時の対応水準が考えていたよりもはるかに劣る理由に疑問を抱かせる」とした。その上で「韓国の今回の災難は、後発国の現代化の限界とぜい弱性を示す事例だ。現代化は人命保護に焦点を合わせなければならない」と書いた。