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携帯電話の通信記録を分析へ
4月22日 4時09分

携帯電話の通信記録を分析へ
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韓国で起きた旅客船の沈没事故で、合同捜査本部は、事故当時、乗客や乗員400人余りが携帯電話でやり取りしたメッセージなど、通信記録を押収し、船が傾いた際の状況や、船内放送の内容などを詳しく分析して、避難誘導が不十分だったのではないかという見方の裏付けを進めています。

修学旅行中の高校生300人余りを含む乗客乗員476人を乗せて韓国南部の海上を航行中だった旅客船、セウォル号(6825トン)が今月16日に沈没した事故は、船内の捜索活動が進められており、これまでに高校生など87人の死亡が確認され、215人の安否が分かっていません。
海洋警察と検察の合同捜査本部は、旅客船の船長や、事故当時、船長に代わって操船していた3等航海士など、3人を、乗客の救助を十分に行わなかった疑いなどで逮捕し、調べを進めています。
この事故では、船が傾くなか、乗客に対してその場にとどまるよう呼びかける放送が何度も流れていたことが乗客の証言で明らかになっており、合同捜査本部の当局者は、乗客や乗員400人余りが携帯電話でやり取りしたメッセージなど、当時の通信記録を押収したことを明らかにしました。
捜査本部では、通信記録を分析することによって、船体がどの時点でどれくらい傾いていたのかや、船内放送が、いつ、どういう内容で流されたのかなどを詳しく分析し、容疑の裏付けを進めることにしています。
また、旅客船を運航していた船会社の経営者や社員、それに貨物の積み込みに携わっていた関係者など合わせて44人の出国を禁じたことも明らかにしました。
捜査本部は、こうした関係者から事情を聞いて、船会社が乗員を対象に避難誘導訓練を適切に実施していたのかや、積み荷が安全に固定されていたのかなどについても、捜査を進めています。

「まだ希望を捨てていない」

今回の沈没事故で捜索の拠点となっているチンドの港には、行方不明となっている高校生らの家族たちが大勢集まっていて、生存の知らせがもたらされることへの望みを捨てていません。
このうち、修学旅行のためにセウォル号に乗っていた高校生の息子の行方が分からなくなっているという母親は、「事故はニュースを見て知りました。息子は、体が不自由な父親の面倒を見てくれていましたし、私のいうこともちゃんと聞いてくれるよい子でした。私はまだ希望を捨てていません。息子に会いたいです」と話していました。
また、高校生の姉は、「弟からの最後の連絡は、16日の午前1時ごろ、『ちゃんとやっています』と携帯電話に送られてきたメッセージでした。なぜ、まだ救助ができていないのでしょうか。早く救助してほしいです」と述べ、捜索に時間がかかっていることにいらだちを示しました。

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