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ヒューマンエラーの原因を見つけるための“小技”とは?
最近多くの企業から、「ヒューマンエラーがなくなるどころか、むしろ増えているのでどうにかしたい」といった相談を多く受けます。ヒューマンエラーについては、学者や有識者が様々な見解を述べていますが、散発的な話(いきなり特性要因図的に最初から切り口をいくつかに分けてしまうもの)や臨床心理にまで踏み込んでしまっているものが多く、根本的な改善や対策をしたいと思っている方々には、非常に分かりにくくなっています。
そこで、ルールというほど大それたものではないのですが、私がヒューマンエラーの原因を「なぜ?」で解いていく場合の“小技”を紹介しましょう。
発生しているトラブルの中には、ヒューマンエラーとそうでないものが混在しているものも多くありますが、純粋にヒューマンエラーと呼べるものだけを取り出して考えると、以下のような図で説明できると考えていまます。
私たちは何らかの情報を、目や耳、手などから入手します。その後、私たちはそれらを基に、ある判断を下します。そして、その判断に基づき行動します。
この図は、1人の人間がどこで間違いを犯すのかを大まかに分けたものですが、この3つのうち、どの部分で間違いを犯してもエラーが発生します。そこで、これを基に「なぜ?」を考えていくことになります。
ここでちょっとした技を使います。
それは、この図を念頭に置いて、それぞれの段階で「○○間違い」を探します。「言い間違い」「聞き間違い」「見間違い」「打ち間違い」「押し間違い」ということです。
さらに、その中の「判断の間違い」については、より具体的にその中味を探っていく必要があります。
「(情報は正しかったにもかかわらず)何を基に判断したのか」や、「○○と判断してしまった」、「判断しづらかった」、「判断できなかった」などというキーワードを念頭に置いて、探れば良いでしょう。
いかがでしょうか。皆さんの身の回りで、上記のようなキーワードに関する事柄はゴロゴロしているはずです。
ぜひ、こんなことを探しながら「なぜなぜ分析」を実施してみましょう。きっと、今まで見つからなかった物事が見えてくると思います。今までどうもうまく「なぜ?」をまとめることができなかった方も、これで少しは分かりやすくまとめることができるのではないでしょうか。
まとめ |
人間は情報を入手し、判断を下し、行動を起こす。これを念頭に置き、「言い間違い」「聞き間違い」「見間違い」「打ち間違い」「押し間違い」といった具合にヒューマンエラーの原因を探ることが有効だ。 |
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