Financial Times

BRICSにおける友人と影響力を失ったオバマ大統領

2014.04.22(火)  Financial Times

(2014年4月21日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

バラク・オバマ氏は米国の大統領に就任した時、世界の主要な新興国に対し、関係改善に向けた新たな提案を行うことを約束した。ところが今、BRICS――ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ共和国――の各国は、米国と仲たがいしたり対立したりするに至っている。

 国連で先月行われた、ロシアのクリミア併合を非難する決議の投票では、ロシア以外のBRICS諸国4カ国がすべて棄権に回った。

 また、インドの新首相に来月選ばれる公算が大きいナレンドラ・モディ氏は、「ニューヨークでの国連の会議に出席する以外、米国を訪問することに関心はない」と公言している。世界最大の民主主義国であり、主要な新興国の中では米国にとって最も自然な同盟相手であるインドがこの状況では、先が思いやられる。

 オバマ氏は一体全体、どのような過程を経てBRICSを失ってしまったのだろうか。

プーチン大統領復帰でロシアとの「リセット」はぱあ、「G2」は中国に断られ・・・

米露、新核軍縮条約に調印

ドミトリー・メドベージェフ前大統領(右)の時代に、米国はロシアとのリセットを打ち出していた〔AFPBB News

 これには避けがたい側面もあった。大統領1期目の早い時期にオバマ氏は、米国とロシアの関係の「リセット」を求めた。この提案は、前任のウラジーミル・プーチン氏に比べればはるかにアンチ西側色が薄いドミトリー・メドベージェフ大統領(当時)から温かい歓迎を受けた。

 だが、オバマ氏やウクライナ、女性パンクバンド「プッシー・ライオット」、そしてその他大勢の人々にとって不幸なことに、プーチン氏は大統領の座を奪い返した。これについてオバマ大統領を責めることはとてもできない。状況はこの日を境に悪化している。

 米中関係も間違った方向に向かっている。オバマ氏は就任1年目に、大いに期待を集めた中国への「G2(2大国)」訪問を実行し、気候変動から金融の不均衡に至る世界の大問題を解決するためのグローバルパートナーシップを形成しようと持ちかけた。

 ところが、中国はまだ国内問題で手一杯という状況にあり、世界レベルの問題に取り組む準備はできていないと考えていた。オバマ氏の提案はにべもなく断られてしまった。

 オバマ氏はその翌年、このG2論による懐柔策に替えて「アジアへのピボット(旋回)」という方針を打ち出した。台頭著しいアジア太平洋地域への取り組みが長い間不十分だったため修正するのだと米国政府は説明したが、これを聞いた中国政府は、中国の近隣諸国との軍事同盟てこ入れの試みが透けて見えると解釈した(確かに、そう考えるのも無理からぬ面はある)。

 オバマ氏は今週、日本、韓国、フィリピン、マレーシア…
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