投資家は数週間か数日後には、世界の市場で最もはやっている推測ゲームの答えを知ることになる。中国電子商取引最大手アリババ集団の実際の価値と、それがどんな基準に基づいて算出されているかだ。同社はまもなく米国で新規株式公開(IPO)を申請する見通しで、これにより、中国の電子商取引の80%を占めると推測されている同社で何が行われているか初めて明らかになる。
これほど大手で目立つ企業としては異例なことに、アリババの足元の推定時価総額は一部の総合証券会社の800億ドルから、楽観派のアナリストが他のネット株との比較で推計した1500億ドル超まで、大きな開きがある。
■証券購入に動く投資家
香港の一部ヘッジファンドはアリババのIPOを待ち切れず、同社の株価の動向を模倣するなどした投資銀行の証券の購入に動いている。
これはアリババの上場大株主であるソフトバンクと米ヤフーを買い持ちし、それを売り持ちし両社が保有するアリババ株を分離することで機能する。アリババ株の3分の1以上を保有するソフトバンクは、米携帯電話大手スプリントやガンホー・オンライン・エンターテイメントなどの株式も相当数保有している。
ソフトバンクの中核である通信部門など非上場事業については、投資家はKDDIなど似たような上場企業を売り持ちしている。このプロセスにはアートや科学のような側面もあり、突き詰めれば知識に基づく推測ゲームだ。
バンクオブアメリカ・メリルリンチがまとめた指標によれば、アリババが3月に米市場への上場を発表した時点では、こうした証券の少なくとも一つから判断した同社の時価総額はわずか800億ドル強だった。もっとも、同行のアナリストはこの額はアリババの実際の価値よりも約20%低いとみているため、時価総額は1000億ドル弱となる。
■3倍に上昇した推定評価額
一方、債券保有者や市場関係者によると、アリババの未公開株と新株予約権付社債(転換社債=CB)の購入希望者は同社の時価総額を1200億~1500億ドルとみているという。
アリババが12年にシンガポール政府系ファンドのテマセク・ホールディングスなど限られた投資家に対してCB16億ドルを発行した時とは状況が一変した。
当時の状況を直接知る2人の関係者の話では、アリババの当時の時価総額は400億ドル以下と評価されていた。当時の取引条件に基づき、CBはIPO完了時に株式に転換される。
投資家は数週間か数日後には、世界の市場で最もはやっている推測ゲームの答えを知ることになる。中国電子商取引最大手アリババ集団の実際の価値と、それがどんな基準に基づいて算出されているかだ。同社はまもなく…続き (4/21)
韓国の鉄鋼最大手、ポスコの権五俊(クォン・オジュン)新最高経営責任者(CEO)は、同社にとって向こう3年間は「極めて厳しい」ものになるとの見方を示した。…続き (4/21)
各種サービスの説明をご覧ください。