2014年4月21日、バルミューダ(東京都武蔵野市)は、2010年の発売以来、高級扇風機市場を牽引してきた「GreenFan」の最新モデルとなる「GreenFan Japan(グリーンファン ジャパン)」を発表した。同日から予約を開始し、5月初旬から出荷される予定。本体価格は3万5000円。本体をコードレスで使うための専用の「Battery&Dock(バッテリー&ドック)」は8900円。
GreenFan Japanは首ふり範囲を設定、記憶させられる
グリーンファンはDC(直流)モーターを採用し、「自然界の気持ちいい風」を扇風機で再現。最小消費電力を4Wに抑え、かつデザインも洗練させることで、高級扇風機としての地位を確立してきた。グリーンファンを発売した翌年には「GreenFan2(グリーンファン2)」を発売。DCブラシレス・デジタルモーターを一新し、最小消費電力3W、最弱運転時の動作音はわずか13dB(デシベル)を実現。一時は入手困難となるほどの人気となった。
今回のグリーンファン ジャパンで注目されるのは、新たな「自由な首振り」機能だ。「従来型の扇風機は首振りの角度が90度程度だった。しかしグリーンファン ジャパンはこれを150度にした。なおかつその範囲内であれば、自分の好きな範囲で首振りを設定できるようにした」(寺尾社長)。設定方法も始点と終点を簡単な操作で決められる。また運転を停止すると正面を向いてから止まり、再開すると以前の首振り位置に自動的に戻って運転するようになっている。なお自動首振りは左右それぞれ最大75度、手動角度調節は左右それぞれ75度、上向きに19度、下向きに11度。
コードレスで使うための別売りのバッテリー&ドックも刷新。バッテリーパックを本体のベース部裏面にセットするだけで、コードレス扇風機として使える。充電するにはドックの上に扇風機本体を置くだけでいい。これなら取り外すときにもアダプターの線を抜き差しする面倒はない。バッテリー駆動時間は最大20時間。
消費電力は1.5W〜20W(バッテリー非充電時)、1日の電気代の目安は0.4円(最弱運転で1日8時間運転した場合の目安。電気料金は1kWhあたり22円で計算)。同社の発表では6月から9月まで、朝の6時から24時まで1日18時間稼働させた時の電気代は省エネ型の12畳タイプルームエアコンで6424円なのに対し、グリーンファン ジャパンは72円。
最小動作音は以前と変わらず13dB、最大動作音は45dBとなっている。また風の届く距離15mで、グリーンファン2+の10mから伸びているが、その要因は「実は解析できていない」(寺尾社長)という。
この5年間、扇風機のことを考えなかった日はなかった
寺尾社長は「この5年間、扇風機のことを考えない日はなかった。グリーンファン ジャパンがファイナルであり、これ以上の扇風機は要らないと思っている」と話し、技術面でも市場動向でも自身が日本で一番扇風機を分かっている人間だとしたうえで「これが一番いい扇風機だと思っている」とした。
「グリーンファン ジャパンを4年、5年と(同じモデルで)販売していけば、売り上げが落ちるときは来る。しかしそれを超えたときに、伝説になるのではないか」(寺尾社長)と、新しいモデルを定期的に出すよりは、グリーンファン ジャパンを丁寧に売っていきたい考えを示した。
(文/山田真弓=日経トレンディネット)