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恵庭OL殺人事件の再審請求を棄却 弁護側は抗告へ

(2014年 4/21)

再審請求棄却を受け、「再審否決」の旗を掲げる大越受刑者の支援者=21日午後1時5分

 2000年3月に苫小牧市の女性会社員(当時24歳)が殺害され、遺体が恵庭市内で発見された恵庭OL殺人事件で、殺人罪などで懲役16年が確定した大越美奈子受刑者(43)の再審請求審で、札幌地裁(加藤学裁判長)は21日、再審請求を棄却した。地裁は「間接事実の認定、評価は重要部分において相当であり、結論に誤りはない」と判断した。再審棄却を受けて、伊東秀子弁護士ら弁護団は「信じられない。抗告する」と話した。

 大越受刑者は捜査段階から一貫して容疑を否認。自供や犯行の目撃証言など直接証拠がなく、一審の札幌地裁は▽被告人(大越受刑者)の車両から被害者のロッカーキーが発見された▽被害者殺害後の被害者の携帯電話の移動方向と被告人の移動方向が一致する―などの状況証拠を基に被告の犯行と断定。06年9月に最高裁が上告を棄却し、判決が確定している。

 大越受刑者は12年10月、札幌地裁に再審を請求。再審請求審では検察側が新たに証拠開示した近所の主婦の炎の目撃証言や、燃焼工学と交通工学の専門家による豚を使った燃焼実験、現場からガソリンスタンドまでの走行実験の鑑定などから、弁護側は「灯油10リットルでは内臓まで炭化しない。大越受刑者のアリバイが成立する」と主張。「大越受刑者は3月16日午後11時5分ごろ灯油10リットルで遺体に火を付け、現場を離れた」との確定判決の矛盾を指摘している。

 検察側は「目撃者の証言は信用できない。午後11時30分に到着は可能」として再審請求の棄却を求めていた。

 恵庭OL殺人事件
 2000年3月17日、苫小牧市の会社員、橋向香さん(当時24歳)が恵庭市北島の市道で遺体で発見され、元同僚の大越美奈子受刑者が逮捕された。大越受刑者は捜査段階から無罪を主張。03年3月札幌地裁は三角関係のもつれから橋向さんの首を絞めて殺害し遺体を焼いたとして、殺人と死体損壊の罪で懲役16年の有罪判決を出した。05年9月に札幌高裁は控訴を棄却、06年9月に最高裁が上告を棄却し判決が確定した。大越受刑者は12年10月札幌地裁に再審請求を申し立てた。

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