20日午後6時ごろ、愛知県一宮市大和(やまと)町(ちょう)の名神高速・一宮ジャンクション付近の下り線を走行していた2階建て観光バスが中央分離帯のガードレールを突き破って上り線に進入した。バスは約200メートル逆走し、乗用車や大型トラックなど十数台と次々に接触、衝突した。バスに乗客はおらず、大型トラックは横転したが、トラックの運転手は軽傷という。

 愛知県警高速道路交通警察隊によると、観光バスは前面が大破。バス運転手(63)=大阪府在住=は一時、車内に閉じ込められた。救出されたが、出血がひどく、病院に運ばれた。県警はバス運転手の回復を待って、自動車運転過失傷害容疑で調べる方針。バスは、大阪府内の貸し切り観光バス会社の所有という。

 岐阜県羽島市消防本部によると、この事故による負傷者はバスとトラックの運転手を含めて男性6人、女性4人の計10人。いずれも意識はあり、命に別条はないという。

 バス運転手は病院への搬送時、「路面ですべった」という趣旨の内容を話したという。

 愛知県警によると、事故当時、現場付近は雨が降り、混雑していた。バスは逆走の際、走行車線と追い越し車線の間を走り抜けていったという。

 中日本高速道路によると、名神高速上り線は一宮ジャンクションの出入り口区間が、事故直後から約6時間にわたって通行止めになった。