経済の死角

集中連載「買わせる発想」【第1回】クーポン券を配っても、ボウリング場に若者は来ない

岡田庄生(博報堂コンサルタント)

2014年04月18日(金) 岡田庄生
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モノやサービスがあふれすぎて差がわかりにくい時代に、相手の心を動かし自分の商品を「買わせる」にはどうすればよいのか。お客様を「消費者」ではなく「生活者」と見る発想の転換法を一冊の本にまとめた博報堂の若手敏腕コンサルタントが「買わせる」秘密を、短期集中連載で明かします

私は博報堂という広告会社でコンサルタントをしています。広告会社にコンサルタントなんているの? と思う方も多いかもしれません。40人程度の小さな部署ですが、商品開発やブランド作り、事業計画や企業ビジョンなど、広告になる前のマーケティング全般のよろず悩み相談所といった仕事をしています。

『買わせる発想 相手の心を動かす3つの習慣』 岡田庄生著  価格:1000円(税別)

なぜ広告会社にそのような仕事の相談が来るのか。一言で言えば、「お客様の視点」を求めているからです。

広告会社は昔から企業の代わりに、どうやったらお客様に興味を持ってもらえるか、買ってもらえるか、をずっと考えてきました。

そして今、モノが溢れすぎて売れなくなった時代に、お客様の声にちゃんと耳を傾けようとする会社が増えています。

とはいえ、道端に歩いている主婦やサラリーマンを急に会議室に呼んできて、「どんな商品が欲しい?」と聞いてみるわけにもいきません。そこで、お客様の気持ちも、企業の気持ちも、どちらもある程度分かっている広告会社にお声がかかるのです。

「生活を豊かにしたい」と思う人は絶対にいなくならない

ところで、お客様について考える時に、2種類の捉え方があります。「消費者」と見るか、「生活者」と見るか、です。

生活者という言葉は、あまり聞きなれないかもしれませんが、例えば花王が「消費者相談センター」の名前を「生活者コミュニケーションセンター」に変更したり、最近少しずつ使われるようになっています。実はこの「生活者」、博報堂が約30年前にビジネスの世界で初めて使いだしたそうです。

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