国際学力テスト:問題解決能力分野で日本3位 12年調査

毎日新聞 2014年04月01日 19時41分(最終更新 04月02日 00時07分)

日本の生徒の習熟度レベル別の割合
日本の生徒の習熟度レベル別の割合

 経済協力開発機構(OECD)は1日、加盟国など44カ国・地域の15歳男女を対象に実施した2012年の国際学力テスト「学習到達度調査(PISA=ピザ)」の「問題解決能力」分野の結果を公表した。日本の平均得点は3位(加盟国中では2位)で、昨年12月に発表された読解力、科学的リテラシー(活用力)と同様、好成績だった。文部科学省は「習熟度別授業や課題解決型能力を重視した指導が学校で広がっている成果」と分析している。

 問題解決能力の調査はコンピューターを使ったテストで、PISAでの実施は初めて。基礎知識を問うのではなく、取扱説明書のないエアコンのリモコンの操作方法を考えさせるなど「解決方法がすぐには分からない問題について、解く力や解こうとする意志をみる」(同省)内容だ。

 調査にはOECD加盟国28カ国を含む44カ国・地域が参加。日本は全国181校の高校1年生約6300人が受けた。OECD平均が500点となる換算で各国の得点を比較すると、日本は552点でOECD加盟国中2位、44カ国・地域中でも3位。加盟国トップは韓国(561点)、44カ国・地域ではシンガポール(562点)が1位だった。

 生徒の成績を高い順に「レベル6以上」「5」〜「1」「1未満」まで7段階のレベルに分けたところ、日本はレベル5以上の優秀な生徒の割合が22%で44カ国・地域中3位(OECD平均11%)。レベル1未満は2%で2番目に低かった(OECD平均8%)。昨年12月には、読解力(全65カ国・地域中4位)▽科学的リテラシー(同4位)▽数学的リテラシー(同7位)の学力調査結果が公表されていた。【三木陽介】

 ◇PISA(国際学習到達度調査)

 OECDが、義務教育を終えた15歳を対象に3年ごとに実施する。2000年に始まった。知識や技能の活用力を評価するのが狙いで、テスト科目は、読解力▽科学的リテラシー▽数学的リテラシーの3分野が基本。12年調査ではこの3分野以外に希望国に対し、コンピューターを使った「問題解決能力」をみるテストを実施した。

 ◇全参加国・地域の上位5カ国・地域

 順位 国・地域名  平均得点

 1  シンガポール 562点

 2 ※韓国     561点

 3 ※日本     552点

 4  マカオ    540点

 5  香港     540点

 ※はOECD加盟国。同点の場合は小数点以下で順位付け

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