消費税率8%:17年ぶり増税 懸念は景気の冷え込み

毎日新聞 2014年04月01日 12時48分

 消費税率が1日、5%から8%に引き上げられた。多くのモノやサービスの価格も一斉に引き上げられた。消費税の増税は1997年4月以来、17年ぶり。企業の間では増税後の景気の冷え込みを懸念する声が強く、景気腰折れをどこまで防げるかが政府の課題になる。

 安倍晋三首相は1日午前、増税について「年々伸びていく社会保障費の増加をまかなうためのものだ。全額社会保障費に充て、子ども・子育て支援の充実にも使う」と述べ、増税に理解を求めた。そのうえで、景気腰折れへの懸念に関し「デフレから脱却できるかもしれないチャンスを手放すわけにはいかない。5.5兆円の経済対策をしっかりと実行していく」と強調した。

 麻生太郎財務相は閣議後の記者会見で「(駆け込み需要後の消費の)反動減をどれだけ抑えられるか、今後数カ月が正念場だ」と述べ、経済対策を早期に実施し、景気下支えを図る考えを強調した。

 茂木敏充経済産業相も「できる限り反動減を緩和して、成長軌道に乗せることが重要だ」と指摘。また、甘利明経済再生担当相も「予算の的確な執行に努め反動減を極小化し、経済が成長軌道に戻ることを期待する」と述べた。【村尾哲、大久保渉】

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