ANA:虹のアーチくぐり歴史に幕 ジャンボ引退
毎日新聞 2014年03月31日 20時05分(最終更新 03月31日 23時48分)
ジャンボ機退役へのスケジュールが具体化しつつあった2年前、乗客から届いたクレームが、ジャンボ機のパイロットたちを奮い立たせた。退役が迫るにつれ、ジャンボ機を追う航空ファンは日増しに増えていった。当時、機長として乗務していた鈴木靖彦さん(44)は「他機種への移行などで、徐々に職場が小さくなっている時期だったが、我々は必要とされているんだと感じた瞬間だった」と語る。パイロットから見たジャンボ機の魅力を鈴木さんは「2階席のコックピットは他とは景色が違うし揺れに強かった」と話す。
別の航空会社でジャンボ機の機長を務めたパイロットは「かなわぬ願いだが、会社の垣根に関係なく、もう一度(エンジンの出力を調整する)4本のスラストレバーに手をかけて、横に細長い窓越しの景色を見ながら操縦してみたかった。一時代を築いたすばらしい飛行機だった」とジャンボ機への思いは何年たっても変わらないという。
◇多数のファンに見送られ
フライトを終えたジャンボ機が、第2ターミナルの64番スポットに再び姿を見せると、多くの航空ファンは、ジャンボ機の雄姿を前に思い思いの形で別れを告げた。
共通した思いは「ありがとうジャンボ。あなたに会えて良かった。」だった。【米田堅持】