ANA:虹のアーチくぐり歴史に幕 ジャンボ引退

毎日新聞 2014年03月31日 20時05分(最終更新 03月31日 23時48分)

虹のアーチをくぐって最後のフライトを終えるジャンボ機=東京都大田区の羽田空港で2014年3月31日午後、大村基嘉氏撮影
虹のアーチをくぐって最後のフライトを終えるジャンボ機=東京都大田区の羽田空港で2014年3月31日午後、大村基嘉氏撮影

 ジャンボ機の愛称で親しまれた全日空(ANA)のボーイング747−400D型機が31日、沖縄・那覇から東京・羽田へ飛んだNH126便で最後のフライトを終えた。消防車による放水でできた虹のアーチをくぐって、日本の航空会社によるジャンボ旅客機の歴史は幕を閉じた。

◇仲間の遺影と飛んだラストフライト

 3月14日、ジャンボ機の退役イベントに深く関わり、ラストフライトへの乗務を望んでいた鈴木博之機長が、53歳の若さでラストフライトを見届けぬまま、病でこの世を去った。同僚が「気さくな男前で誰からも愛された」と語る人柄は航空ファンだけでなく管制官らからも愛された。

 ラストフライトにのぞんだパイロットたちは、鈴木さんの遺影とワッペンとともに羽田へ降りた。

 フライトを終えた神田丈司機長は「このフライトが私にとってもラストフライト。最後の年に長期病欠したときに、パイロットへ復帰するために強く後押ししてくれた。ここで握手をしてありがとうというはずだった」と仲間をしのんだ。ラストフライトの副操縦席に座った藤村弘機長は「747−400のメンバーは博之の無念を抱いてやってきた。一番悔しかったのは彼だったと思う。(無事に終わったことを)報告したい」と語った。

◇心の中で飛び続けるジャンボ

 午後3時すぎ、羽田にジャンボ機が降り立った。チーフパーサーとして乗務した客室乗務員(CA)の千葉陽子さんが「20世紀、21世紀と二つの世紀にまたがって皆様に愛されたボーイング747−400は、本日を持ちまして皆様の心の中に着陸させていただきます」とアナウンスすると機内は拍手に包まれ、CAの一人は涙を抑えきれなかった。

 到着後、藤村機長が篠辺修社長にラストフライトの報告を行った。また引退式には747−400型機初便に搭乗した乗客と当時のチーフパーサーも出席。乗客からジャンボ機への熱い思いを込めたメッセージが読み上げられた。

◇ジャンボ機の魅力

 「何で、ジャンボから777に変更したんだ」

最新写真特集