反日のホンダ氏を見限り…在米中国組織が担ぐさらなる「親中反日」候補
米国連邦議会下院のマイク・ホンダ議員といえば、在米の反日中国系組織とスクラムを組んで慰安婦問題での日本非難決議を同下院で採択させた人物として広く知られる。
その中国系組織が今年の議会選挙では同議員を敵に回し、若手の対抗候補を支援するようになった。その戦いが全米レベルの関心をも集め始めた。
ホンダ議員は2007年7月に同下院が可決した慰安婦決議の主唱者だった。カリフォルニア州に本部をおく中国系政治活動組織の「世界抗日戦争史実維護連合会」(以下、抗日連合会と略)に全面支援されていた。抗日連合会は日本の戦争行動をなお糾弾し、戦後の対日講和に始まる国のあり方をも否定するという意味で完全に反日であり、中国政府と密な関係がある。
抗日連合会は1996年ごろ同州議員だったホンダ氏との協力を始め、2000年の同氏の連邦議会下院選での当選でも資金や組織の面で強力な支援を続けた。この間、ホンダ議員は慰安婦問題から南京事件、米軍人捕虜問題まで戦争関連案件で抗日連合会と一体となり、日本糾弾を継続した。
ところが今年の中間選挙での下院選ではカリフォルニア第17区から8選目を目指すホンダ議員に対し抗日連合会は同じ民主党の対抗馬のロー・カンナ氏を支援し始めた。72歳のホンダ氏に対しカンナ氏は37歳、インド系米人の知的所有権専門の弁護士で第1期オバマ政権では商務次官補代理まで務めた。2人は6月の民主党予備選で対決する。
抗日連合会がホンダ議員を支援しなくなった理由は現地の消息通によると、尖閣問題で同議員が中国支持を鮮明にすることをためらったためらしい。事実、同議員は12年10月ごろから地元紙などに尖閣問題では米国が中立を保つことを提唱する意見を発表し始めた。日本の領有権を認めず、米国は国際機関に紛争として持ち出すべきだと述べたが、中国の領有権も明確には支持しなかった。
ホンダ氏としては慰安婦問題など戦争の歴史がらみの案件では中国の主張を全面支持する立場をとれても、尖閣問題でオバマ政権の「中立」を超えてまで中国支持は打ち出せないということだろう。だが抗日連合会は長年のお抱え議員には領土問題での中国支援も期待したわけだ。
一方、カンナ氏はホンダ議員への挑戦を宣言する以前の昨年2月に抗日連合会のピーター・スタネク会長とイグナシアス・ディン副会長との連名で、尖閣問題での中国全面支援の寄稿論文を地元有力紙の「サンノゼ・マーキュリー」に載せた。抗日連合会は選挙戦ではカンナ候補を多方面で支援し、反日活動では同候補を完全に取りこんだ形である。
カンナ氏も中国系有権者をとくに意識して、中国語のウェブサイトを設け、自分も中国語で選挙演説をするほどとなった。同じ民主党内で7期14年も在任するホンダ議員のようなベテランに挑むのは異例であり、その挑戦決定までの過程でも抗日連合会のプッシュが大きかったようだ。
民主党内ではオバマ大統領もナンシー・ペロシ下院院内総務もホンダ議員支持を表明している。だが選挙区でのカンナ候補の人気も高く、今年3月の時点で集めた選挙資金が約200万ドルと、ホンダ議員の3倍以上と発表された。
さて日本たたきのホンダ議員が中国団体から見放されたという一幕だが、その対抗馬はホンダ氏以上の親中反日なのである。(ワシントン駐在客員特派員・古森義久)