公的な医療保険が使える診療と、使えない自由診療を組み合わせる「混合診療…[続きを読む]
凍りついていた日中関係に、やっと改善に向けた兆しが出てきた。両国間には…
凍りついていた日中関係に、やっと改善に向けた兆しが出てきた。両国間には過去と現在にまたがる多くの難問が横たわるが、だからこそ、ふつうに対話できる関係を作り直したい。
このところ注目すべき交流が続いている。
習近平(シーチンピン)国家主席と近い関係にある胡徳平氏が来日し、今月上旬、安倍首相と面会していたことが明らかになった。
元衆院議長の河野洋平氏が北京で会談した汪洋(ワンヤン)副首相は、安倍首相を批判する一方、「日本の経済界が困難克服のため努力し、関係改善に貢献することを望んでいる」と発言した。
今月24日からは舛添要一・東京都知事が友好都市関係にある北京を訪れる。北京市からの招待は実に18年ぶりだ。中国外務省も歓迎の談話を出した。
隣国同士、このまま疎遠でいいはずがない。なんとか改善の道はないか。そんな意思が双方に働いているとすれば、好ましい進展だ。
昨年も事態打開への努力はあった。11月に中国国防省が東シナ海域で突然、防空識別圏を敷く挑発行動に出た後も、外交当局者間の往来は続いた。だが、安倍首相による年末の靖国神社参拝で交流は途絶えた。
歴史問題で非難を強めてきた習政権は、安倍首相が譲歩しない限り、公然と和解に動くような体裁はとりたくない。まずは経済と民間の交流に力を入れ、安倍氏の出方は慎重に見極めよう、ということなのだろう。
ただ、日中の間にある障害は歴史認識だけではない。むしろ中国が危うい軍拡を長年続け、周辺域での影響力拡大を図っていることが、日本を含む近隣に緊張をもたらしている。
無用な衝突を防ぐためにも、防衛当局間の対話が必要だ。空や海での警戒行動をめぐる安全確保のメカニズムをつくれば、地域の安保環境に役立つ。
一方、経済面では日中は相互補完関係が強い。今も中国は日本の技術を求め、日本は中国の市場と労働力を必要とする。
日中韓で構想されている自由貿易協定交渉の加速を含め、経済関係強化をめざした議論を政府間で進めるべきだ。
軍事大国化する中国への懸念は、今や環太平洋諸国が共有している。それでも、米国はじめ各国は首脳同士の対話を絶やすような選択はせず、むしろ活発に主張をぶつけ合う関係を維持している。
対立を抱えていても、共存共栄を図る。それがかつて日中で合意した「戦略的互恵関係」の意味するところではないか。
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