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猫の殺処分ゼロに地域猫活動が実り 東京都国立市

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 東京都国立市で、猫の殺処分が2012年度からゼロになっている。猫の不妊去勢手術への助成がない中、ボランティアと行政が連携して、地域猫活動を地道に進めてきた結果だ。

 市では05年、後藤由美子さん、福井和江さんの2人が、「猫のゆりかご 国立地域猫の会」を立ち上げ、会の資金のみで、600匹近くの猫の不妊去勢手術を行ってきた。

 東京都の多くの市区町村は猫の殺処分を減らすため、不妊去勢手術に助成金を出している。しかし国立市は13年度から、オス3000円、メス5000円を上限に助成をスタートさせたばかりだ。

 「予算がない分、行政も一緒に活動してほしいと頼みました」と後藤さん。

 そこで市環境政策課は03年度から「地域猫政策」を開始。会と協働で野良猫への苦情があればすぐに出向き、猫を手術して地域猫として世話管理していくよう地域住民に働き掛け、関連セミナーも開いた。

 「協働事業で、住民にもだいぶ政策が浸透しました」と後藤さん。

 こうした活動が実り、市から殺処分を行う都の施設への猫の引き取りは年々減り、05年度が17匹だったが、12年度にゼロを達成した。都内では、千代田区も10年5月を最後に猫の殺処分ゼロを継続している。

(2014年4月5日)