2013年10月23日

動物愛護に特化した保護施設完成(鹿児島県)

  捨てられた犬や猫の譲渡や、責任を持ってペットを飼ってもらうための啓発活動を進める県の「動物愛護センター」が、霧島市隼人町に完成した。殺処分を行わず、動物愛護に特化した動物保護施設は、県内で初めて。現在、犬4匹と猫3匹を保護しており、最初の譲渡会が20日に開かれる。(島田愛美)

 県によると、県内で昨年度に保護された犬と猫は5241匹。このうち、509匹が譲渡される一方で、4199匹は殺処分となった。県は県内3か所にある「畜犬管理センター」で月2回、譲渡会を開いてきたが、収容数が多いと殺処分の時期が早まり、健康管理やしつけを十分に行えないことが多かったという。

 20131017-動物愛護C_鹿児島動物愛護センターは木造平屋の約360平方メートル。犬と猫を20匹ずつ保護でき、3人の獣医師を含む7人のスタッフが2、3週間をかけ、犬や猫にワクチンの接種やしつけをする。動物たちには個別のケージが用意され、検査・治療室で血液やふんの検査、ワクチン接種なども行う。

 約320平方メートルある屋外の芝生広場では、動物の運動や譲渡前の講習などを実施。「猫ふれあい室」では、保護された猫とふれあい、室内飼育を疑似体験できる。譲渡後も飼い主にしつけ方を指導するなど、長期的な支援も行う。

 県は2007年、10年間で殺処分数を半減させるという数値目標を掲げており、今後は同センターを中心として動物愛護の啓発活動を推進する方針だ。

 16日に開所式があり、伊藤知事、前田終止・霧島市長ら約40人が出席。伊藤知事が「生態を理解し、責任を持って飼育することが重要だ。施設を拠点に、動物愛護の思想を一層普及させてほしい」とあいさつし、テープカットを行った。

 吉満文隆センター長(54)は「収容数がゼロになることが最終的な目標。飼い主が最後まで責任を持って飼育できるようサポートしていきたい」と話していた。

 譲渡会などの問い合わせは同センター(0995・44・6301)へ。



fukuidogcat at 14:14│Comments(0)TrackBack(0)

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