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焦点:米大統領アジア歴訪に試練、問われる「中国抑止」の本気度

2014年 04月 19日 08:30 JST
 
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[ワシントン/マニラ 16日 ロイター] -フィリピンと中国が領有権をめぐって対立する南シナ海で先月、フィリピン政府の船舶が中国の海洋監視船に妨害される場面があったが、その展開を目にしようと急降下してきたのは米海軍機だった。

同機の行動で明らかになったのは、アジア最大の戦略地域の一つである南シナ海の重要性が高まりつつあるという事実だ。また同時に、オバマ政権が掲げる「アジア軸足」外交は本物だというメッセージだ。

しかし、これでだけでは、アジアの同盟国を納得させるのに十分ではない。

オバマ大統領は4月23日から、日本、韓国、マレーシア、フィリピンの4カ国を歴訪する。今回の訪問でオバマ氏が直面する最も厳しい試練は、米国がアジア情勢の単なるオブザーバーではなく、一層の影響力拡大を図る中国に対抗する意思があることを示し、懐疑的な同盟国の指導者を安心させることだ。

ロシアによるウクライナ南部クリミア半島の編入強行と、それに対する米国の選択肢が限定的との見方は、中国が東シナ海と南シナ海の領有権問題をめぐって軍事行動に向かいかねないとの不安をもたらしている。また一部のアジア同盟国では、自国が中国の脅威にさらされた場合、米国は米中関係へのダメージを抑えるような行動を取るのではないかとの疑念も存在する。

今回の歴訪で特に難しい点は、米中関係の緊張を高めることなく同盟国を安心させ、同時に中国の行動をいかに抑えられるかだ。リスクコンサルティング会社TDインターナショナルのリチャード・ジェイコブソン氏は「オバマ政権のアジア外交政策で、最大の試練になる」との見方を示した。

米当局者らは、オバマ政権が約束する経済・外交・安全保障政策のアジア「シフト」について、ウクライナ危機や中東での問題とは無関係だと話す。

アジアへの「軸足」移動は、米国がイラクとアフガニスタンからの撤収を進める中、アジア地域の力強い経済に焦点を移すという戦略を表している。   続く...

 
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問われる「中国抑止」の本気度

日本などアジア4カ国を歴訪するオバマ米大統領。米中関係の緊張を高めることなく、同盟国を安心させることはできるのか。
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4月16日、日本などアジア4カ国を歴訪するオバマ米大統領にとって、今回の訪問で特に難しい点は、米中関係の緊張を高めることなく同盟国を安心させ、同時に中国の行動をいかに抑えられるかだ。10日撮影(2014年 ロイター/Kevin Lamarque)
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