東京レター
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【社会】茨城 犬殺処分が全国最多 「ワースト返上」NPO啓発に力
犬の殺処分数が八年連続全国最多の茨城県で、飼育マナーや避妊・去勢の大切さを知ってもらおうと、NPO法人や県が啓発に力を入れている。二〇〇二年度に一万匹を超えていた殺処分数は年々減少し、一三年度(集計中)は三千匹を下回る見通し。それでも九年連続最多となる可能性が高く、将来ワーストを返上した上、さらにゼロに近づけたい考えだ。 処分を待つ犬の鳴き声が施設内に響く茨城県動物指導センター(笠間市)。箱形の装置に犬を追い込み、二酸化炭素を注入すると、二十分ほどで死ぬ。一二年度は三千百七十七匹が処分された。 全国では一二年度、三十を超す都道府県で犬の処分数は千匹以下だった。センターによると、茨城県が多いのは(1)広い家が多く、敷地内で放し飼いされた犬が逃げ野犬化する(2)気候が温暖で野良犬が生きていける−などの地域性のほか、避妊・去勢率が低いという飼い主の問題があるという。 こうした現状を変えようと、NPO法人「動物愛護を考える茨城県民ネットワーク」(同県つくば市)が、センターなどから引き取った犬猫の新たな飼い主を探す活動を数年前に始めた。飼い主が見つかれば、ボランティアが自宅に足を運び、飼育について細かくアドバイスする。 鶴田真子美代表は「『避妊手術はかわいそう』では無責任。路上でカラスに食べられたり、殺処分されたりする命を想像してほしい」と話す。 県も「全国ワースト1脱却宣言」を掲げ、子どもたちに殺処分の現実を知ってもらおうと、一二年から夏休みにセンターの見学会を開催。小学生が犬の胸に聴診器を当てて心音を聞く出張教室も実施している。 熊本市のように、捨てに来た人に飼い手を探すよう強く説得し、〇九年度に犬処分数を一匹まで減らした自治体もある。茨城県生活衛生課は「殺処分ゼロを目指し根気強く啓発を続けたい」としている。 PR情報
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