1994年の連載開始以来、変わらぬ人気を誇り続けるマンガ『名探偵コナン』。子供のころに夢中になったまま、大人になったいまでもコミックやアニメを追いかけ続けているファンが多いのが同作の特徴。その理由のひとつが、この20年、ずっと謎に包まれたままの“黒の組織”と“あの方”の正体。少しずつ展開し、明かされては闇に消え、焦らされ続ける読者はみずから推理し、想像し、そして追う。『ダ・ヴィンチ』5月号では、連載当初から『コナン』を追い続けているという、コナンマニアの30~40代の男性による座談会を開催。“あの方”の正体についても探っている。
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――みなさんは、今後のストーリー展開をどう予測しますか?
【N】 「あの方」の正体とAPTX4869の目的が判明し、コナンが組織を壊滅させる。そして元の姿に戻って……という流れは間違いないでしょう。その前に、われわれ読者をだますようなトリックや謎を、いくつか描いてほしいですね。
【O】 私は、蘭の誕生日が結末に絡むと思っています。噂によると、青山先生は蘭の誕生日を秘密にしているらしいんですね。“何かあるな”と思っています。
【S】 まだまだ回収されていない伏線もたくさんあるんですよね。板倉が作っていたソフトのことや、FBIが組織を追っている理由なども気になります。すべてが「あの方」につながるんでしょうけど。
【N】 「あの方」の正体は本当に早く知りたいですよね。
【S】 ただ、すべての謎が解けたら『名探偵コナン』は終わってしまうんですよね。それは寂しい気もします。
【O】 青山先生は「必ずハッピーエンドにする」と言っているようですね。終了は寂しいですけど、その言葉は救いです。
【T】 ところで、みなさんは『名探偵コナン』の最終回がどうなるかを気にしているようですが、私は「『コナン』は永遠に終わらない」と思っています。
【N・S・O】 え!?
【T】 だって『コナン』が終わることなんて、誰も望んでいないですよね。それに小学館だって、看板マンガが終わってしまったら困るはず。
【S】 確かに……。
【T】 それに、コナンが新一に戻ってしまったら、少年探偵団の歩美・光彦・元太はきっと悲しみます。博士の発明で、コナンに関する記憶を消してもらえればいいですけど。
【N】 そんな展開、余計に悲しいです(苦笑)。
【T】 大人になった3人が「そういえば昔、探偵みたいな奴がいたような気がする。誰だっけ?」とか言い出したりして……。
【S】 『20世紀少年』みたいになってます!!
【T】 そう考えると、コナンが元の姿に戻るというのは、一概にハッピーではないと思うんです。
【O】 いや~、コナンが新一に戻ったとしても、元太が「なんだ、そうだったのかよ! でも俺たちは、これからもお前のことをコナンって呼ぶからな」とか言って、笑って終わるのでは?
【N】 その展開、本当にありそうですね。最終回は何年後くらいになるんでしょう。
【S】 回収されていない伏線も多いので、まだ数年は『コナン』と付き合えるはずです。
【T】 最終回を迎える時がくるとしたら、編集さんと青山先生の間で「先生、そろそろ」「うむ、とうとうか」みたいなやりとりがされるんですかね……。『コナン』が終わってしまうくらいなら、私は「あの方」の正体なんてわからなくてもいいです。
【N・S・O】 それは困る!!
取材・文=澤井一/ダ・ヴィンチ5月号「祝! 連載20周年『名探偵コナン』特集」