入社4か月キャリア1年女性航海士に一任、船長は休憩…韓国客船沈没

2014年4月19日6時0分  スポーツ報知
  • 海面から完全に姿を消した旅客船「セウォル号」の沈没地点に設置されたブイとクレーン船(奥=共同)

 韓国南西部珍島沖の旅客船沈没事故で、事故直後に逃げ出したとされるイ・ジュンソク船長(68)が事故当時、船長業務の操舵指示を入社4か月の女性3等航海士(25)に任せ、自らは休憩を取っていたことが18日、明らかになった。政府の合同捜査本部は船長や航海士、操舵手の逮捕状を請求。一方、多数の不明者がいる高校の教頭は、救助された後に首をつって死んでいるのが発見された。

 事故直後、乗客の救助を放棄して真っ先に逃げ出した疑いのある船長は事故当時、船長業務である操舵指示を経験の浅い3等航海士に一任し、休憩していたもようだ。

 中央日報や聯合ニュースなどの報道を総合すると、女性3等航海士は入社4か月目で航海の経験は1年と浅かった。船舶自動識別装置により、事故直前に2度も右方向に急旋回していたことが明らかになっている「セウォル号」だが、旋回の指示は3等航海士が操舵手にしたものとみられる。救助要請は2度目の旋回の3分後だった。

 3等航海士の資格で操舵指示を行うことは法的には可能だが、事故現場は潮流が速い難所として知られている。船長は「危険な所なので自分が見ておくべきだった。過ちだった」などと話している。

 海洋警察などは運航会社のチェンヘジン海運を18日未明に家宅捜索。さらに犯罪加重処罰法違反などの容疑で船長を、業務上過失致死などの容疑で3等航海士と操舵手の逮捕状を請求した。3人は18日夜、令状審査のため裁判所に出頭。捜査本部は操舵指示の経緯や急旋回の原因を追及する方針だ。

 そんな中、旅客船が150台の車両積載限度に対し180台を積んでいた事実が新たに判明。また、出発の遅れを取り戻すためにスピードを上げようと安定性を維持するタンクから水を排出した疑惑も浮上している。

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