「売人20面相」御用、他人の身分証80枚 覚醒剤売りさばく

2014年4月19日6時0分  スポーツ報知

 近畿厚生局麻薬取締部神戸分室は18日までに、覚醒剤取締法違反(営利目的所持)の疑いで、いずれも住所不定の無職、田中愛一郎容疑者(49)と同居の板東千亜希容疑者(38)を逮捕した。

 2人は内縁の夫婦。足が付かないように大量の他人名義の身分証を駆使して覚醒剤を売りさばいていたことから「売人20面相」と呼ばれ、同分室が行方を追っていた。

 同分室によると、関係先から運転免許証や保険証などを含む他人の身分証を約80枚押収。銀行口座や携帯電話もそれぞれ20台以上持っていた。

 さらに、他人名義で東京や大阪の短期賃貸のマンションに入居。数十か所を転々として生活していた。別人に成り済まし、各マンションから宅配便で郵送する手口で覚醒剤を販売。その範囲は北は函館から南は鹿児島まで、日本全国に及んでいた。

 2人の逮捕容疑は、大阪市西区のマンションで3月に覚醒剤43袋分、約270グラムを販売目的で所持した疑い。2人は既に、同法違反(使用)の罪で起訴されている。

 同分室は「ここまで身分証を大量に持っている事案はあまり聞いたことがない」とし、「入手経路は不明だが、闇市場か覚醒剤の取引時に入手したなどが考えられる」と説明。逮捕時に現金で1300万円を所持していたことから「相当数の覚醒剤取引をしていたはず」と話している。

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