ニューヨーク=畑中徹
2014年4月19日12時52分
米国のIT大手各社が、ライバル企業の得意分野に相次いで進出している。ITの各サービスは関連性が強いため、顧客を増やすには他社が先行する事業にも参入する必要性が高まってきたからだ。
いま最大の注目は、「アマゾン・スマホ」だ。ネット通販最大手の米アマゾンが6月にも独自のスマートフォン(スマホ)を発表し、秋ごろに売り出すと米メディアが次々伝えた。特別なメガネがなくても、画像が3次元(3D)のように浮かんで見える機能が盛り込まれるという。
米国でスマホといえば、アップルのiPhoneが代名詞だ。書店に始まって小売りやコンテンツ配信と業務を拡大したアマゾンが、IT激戦区のスマホ市場に割って入りそうだ。
アマゾンは4月、テレビに接続してネットの動画などを楽しむ「セットトップボックス」という機器を米国で売り出した。先行するアップルやグーグルに「真っ向勝負」を挑んだばかりだ。
マイクロソフト(MS)も4月、スマホ向けの音声認識技術コルタナを発表した。スマホに話しかけると音声を認識し、手を使わなくても操作ができる。この分野ではアップルやグーグルの技術が先行しており、競争が激しくなりそうだ。ソフトの巨人といわれるMSだが、2012年には自社製タブレット端末を投入し、アップルやアマゾンなどと火花を散らしている。
グーグルはハード機器への取り組みを急速に強化している。メガネ型端末「グーグル・グラス」は年内の発売が有力だ。各社が力を入れるウエアラブル(着用する)端末市場でいち早くシェアを確保するねらいだ。同社はオンライン通販も強化している。米国の西海岸で試験的に進める無料の即日配送のサービスを他都市にも広げるとされ、アマゾンと競合する。
一方、世界最大の交流サイトを運営するフェイスブックは検索分野のサービスを強め、グーグルに対抗している。
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