3等航海士「全速力で航行したまま方向転換」
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事故発生から4日目の19日も現場での捜索が続けられ、潜水士が船内で3人の遺体を初めて確認した。
韓国政府関係者によると、船長らは16日午前8時50分頃、航路が狭い現場海域を航行中、速度を下げないまま無理に針路を変更して船を横転、沈没させたうえ、乗客に対して必要な退避措置を取らず、死傷させるなどした疑い。
船長と操舵手は19日未明、逮捕前に、木浦の裁判所前で韓国メディアの取材に応じた。船長は、乗客に客室にとどまるよう船内放送した理由について、「潮の流れが速く、水温も低い。救助船も来ておらず、周囲に漁船や協力船もいなかった」と述べた。船が急旋回した時は、「寝室に用があり、ちょっと行って来る間にそうなった」と操舵室にいなかったことを認めた。容疑については「認める部分もある」と語ったが、最初に下船したことは否定した。
操舵手は、船が横転直前に急旋回した理由について、「私が失敗した部分もあるが、いつもより随分速くかじが回った」と語った。
また、韓国紙・中央日報によると、3等航海士は捜査本部の調べに対し、「ほとんど全速力で航行したまま、方向を転換した。操舵装置がぐるっと回り、船がバランスを失い、統制不能状態に陥った」と供述したという。当時の船の速度は19ノット(時速約35キロ)だった。