「野球の指導に熱心だった」　阿部容疑者逮捕、同僚は硬い表情

　冷凍食品農薬混入事件で、契約社員の阿部利樹容疑者（４９）が逮捕されて一夜明けた２６日、勤務先のアクリフーズ群馬工場（群馬県大泉町）では従業員が出入りしていたが、硬い表情のままで、集まった報道陣からの問い掛けに無言だった。

　関係者によると、朝のミーティングでは幹部らが出勤した従業員に事件の経緯を説明し、「最悪の結果になりました」などと話したという。

　工場は昨年末の事件発覚後、操業を停止。従業員は全国から回収した冷凍食品から異臭がしないかの確認作業に当たっている。

　群馬県警の捜査員とみられる約１０人も工場を出入りした。県警によると、まだ実施していない従業員への聞き取り調査を継続するという。

　一方、工場から約３・５キロ離れた同町の阿部容疑者の自宅駐車場には、青いスクーターや乗用車などが止められ、門は開いたまま。カーテンが閉められ、人けがなくひっそりとしていた。

　阿部容疑者と子ども同士が小学校で一緒だったという近くの男性会社員（５４）は「息子さんへの野球の指導に熱心だった。子煩悩で真面目そうな印象だったのに…」と声を落とした。