ビットコイン考案者、ニック・サボ氏が最有力-英大学が著作分析

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[image] Agence France-Presse/Getty Images

 米誌ニューズウィークがインターネット上の仮想通貨「ビットコイン」の考案者「ナカモト・サトシ」氏を発見したと報じて大騒ぎになって1カ月経過したが、今度は英国の大学が全く別の人物をビットコイン考案者である可能性が最も大きいとする新たな調査結果を公表した。

 英バーミンガムのアストン大学の学生や研究者たちは、ビットコインの潜在的な考案者として最も頻繁にリストアップされる人々11人(ないしチーム)の著作物を言語学的に分析した。その結果、Nick Szabo(ニック・サボ)氏という暗号研究の世界でよく知られた人物がビットコインの父ではないかと信じるに至ったという。

 同大学の学生や研究者40人のグループは、11人の候補者の著作物を調査した結果、サボ氏の書いたものが当初のビットコイン白書(2008年10月)で見られる書き方と「並外れた」類似性を示していると結論した。

 ただしアストン大学の調査チームがサボ氏をビットコインの考案者だと断定していない点は重要だ。同調査チームは、書いたものを分析した結果、調査対象にした人々の中でサボ氏が考案者候補である公算が最も大きいと述べているにすぎない。それはスモーキングガン(発射した直後の銃が硝煙を立ち昇らせている状態=動かぬ証拠)とはほど遠く、もう一つの手がかりが出たにすぎない。

A month after a firestorm erupted over Newsweek’s claim that it “unmasked” the creator of bitcoin, a U.K. university has released a new study that points to a different candidate. Michael Casey joins MoneyBeat.

 アストン大学の法言語学専攻の専任講師で今回の調査のリーダーであるジャック・グリーブ氏は声明で、「われわれの調査結果は、(最有力候補として)ニック・サボ氏に向かう証拠に重みを与える」と述べた。同氏は「このケースはかなり明確のようにみえる。サボ氏は法律、金融、暗号、そしてコンピューターサイエンスの専門家だ。サボ氏がビットコインを創出したのか? われわれは確かには言えないが、当初のビットコイン論文(2008年の白書)を書いたのは恐らく同氏であり、同氏について綿密に検討する価値が確実にあると考える」と語った。

 サボ氏はデジタル契約とデジタル通貨に関する研究で知られている。同氏は「bitgold(ビットゴールド)」と呼ばれるビットコインの前身を開発し、電子商取引のセキュリティを含む一連の話題に関する専門的な論文も書いている。以前に匿名で発表されたテキスト分析でも、サボ氏の著作は同氏がビットコインの考案者である公算が大きいことを示していると主張されていた。

 サボ氏のコメントは得られていない。なお米ジョージ・ワシントン大学は、サボ氏が同大学の法律学教授だと広く報道されているが、同氏が同大学で教授として勤務した記録は一切ないと述べている。ただし同大学は、サボ氏が2006年に同大学から法律学の学位を得ていることは確認した。

 アストン大学の調査チームは、08年のビットコイン白書の著者「ナカモト・サトシ」氏とうわさされてきた11人の著作を分析した。これら11人はサボ氏のほか、ドリアン・S・ナカモト氏(3月にニューズウィーク誌によって考案者と特定された人物)、ハル・フィニー氏(ペンネームのナカモト氏とビットコインで最初に協力した人物)、ジェド・マケレーブ氏(Mt.Goxの創設者)、ダスティン・トラメル氏、ギャビン・アンドリーセン氏(現在ビットコイン財団の主任サイエンティスト)、ウィリ・レードンビルタ氏、マイケル・クリア氏、モチヅキ・シンイチ氏、ウェイ・ダイ氏、そしてニール・キング、ウラディミール・オクスマン、チャールズ・ブライの3氏チーム(彼ら3人の名前は、ビットコインによく似たシステムの08年8月の特許出願で登場している)。

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