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ドイツ、アルフレッド・ウェゲナー研究所のマーカス・レックス氏が、南洋の上空に未知の気象現象が生じているのを発見した。熱帯の西太平洋に自然的要因によって形成された、肉眼では見えない数千キロの大気の穴が開いていたのである。
この巨大な大気の穴は、まるで巨大なエレベーターのような働きをし、地上で排出された大量の汚染物質などを大気のフィルターを通さずに直接成層圏に運んでしまっているのだ。汚染物質が成層圏にキャトルミューティレーションされているようなものだ。
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この現象により、オゾン層の破壊がさらに進み、地球全体の将来的な気候に大きな影響を与えることになるのではと懸念されている。特に、最近深刻化している南東アジア地域の大気汚染が地球全体に広がってしまうと大変なことになる。
レックス氏は「空は非常に複雑な層が積み重なってできている。特に地上に近い大気層は、何千何万もの化学物質が混ざっていて、季節ごとや場所によって香りや成分が異なっている。」と語る。
多くの化学物質は水溶性で、”OHシールド”と呼ばれる対流圏内にある下方の層で、雨などにより洗い流され浄化される。ところがなかなか浄化されない化学物質もあり、これらの物質はシールドをくぐりぬけてしまう。それらの物質は分解されても大気中に残り、地球上に拡散されてしまう。
この浄化の難しい物質とは、メタンやハロン、クロロフルオロカーボンなどオゾン層を破壊する物質として有名なものである。
ところが今回発見された巨大な穴から、ほとんどすべての汚染物質がOHシールドを通ることなしにダイレクトに成層圏に吸い上げられているのだ。
この穴のせいで、多くの臭化炭化水素が世界中に拡散することになる。南海の穴から大気を通じて拡散するのは、臭化炭化水素だけではないであろう。二酸化硫黄も拡散されるはずだ。
ただし硫黄は、温室効果ガスとは反した働きがある。温室効果ガスが大気に熱をとどめ、地上を暖めてしまうのに対し、硫黄は熱さましのような働きをしてくれる。
「南東アジアの経済発展による大気汚染が地球温暖化を和らげることができたとしても、それは特に幸運ではない。」レックス氏は説明する。
「南海上にできた大気の穴はいかに気象が複雑かつ繊細なプロセスで起きているのか示している。我々は大気中でどんなことが起きているのかしっかりと理解し、今後の結果を少しずつ変えていく最善の努力をしなくてはならない。」
近年の研究により、オゾン層破壊の複雑なプロセスについてはよく知られるようになり対策も練られているが、にもかかわらず、オゾン層の破壊の規模は想像以上に大きなものとなっている。
via:maritime-executive・原文翻訳:Yucaly
上空に開いた目に見えない大気の大きな穴が地球上のあらゆる物質を吸い上げていくとか、また新たなSFワールドの世界が実際に起きているとか、現実が想像に追いつきすぎだろって思うわけだけど、そんな冗談を言っているわけじゃなく、深刻な状況になっていることを認識する必要があるだろうね。
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