ゲームを思い出してみれば、姫は大胆でたくましかった…
そう、お城を脱出するのに自分の部屋の壁を蹴破ったのだから。

壁なんて蹴破ったら、大きな音が聞こえて、下にブロックが落下して大騒ぎになるじゃないか。
「サントハイム城が外敵から攻撃された!?」って、城中が物騒な動きにならないか?
犯人がアリーナと知ったら、王様が「アリーナを連れ戻せ」って仰せになり臣下が総動員されないか?
王が命を下さなくても、みんな動くだろ。
なのになのに。
追いかけてきたのはクリフトとブライだけ。

-------------ってツッコミは置いといて。
小説ではアリーナは壁を蹴破らないで脱出しました。
期待していたのに。残念。

お隣サランの町には寄らず、お三方はいきなりテンペの村に行きました。
若い娘の生贄を喰う魔物とは、アリーナ一人で戦っていました。
お三方の偽物と出くわすフレノールの町のイベントでは、黄金の腕輪を取りにクリフトとブライだけが洞窟に向かいました。後から追いかけてきたアリーナと合流はするのですが。
砂漠のバザー → 割愛。
さえずりの蜜のイベント → 割愛。
………。
第2章のファンとしては残念です。

良かった箇所を挙げますと…

フレノールで薬草を買うクリフトが、知的だったコト。
ハーブの調合のような感じで薬草を処方してもらうのですが、「それは××の効果がある〇〇ですね。」「(調合から外された)△△を足して…ゴールドにして下さい」と、知識全開で値段交渉もして。
その薬草屋の店員(二名)はお三方が来店した時にチェスをしていて、負けた方がしぶしぶ立ち上がって接客を始めたのですが、買い物が終わったクリフトが「ちなみに……とすればあなたのチェックメイトだった」と教えるのです。
カッコイイじゃないですか…(//▽//)

黄金の腕輪を要求した盗賊と、エンドール・武術大会の第一戦目で再会して(ミスターハンですねー。)、アリーナが勝って仲良くなるコト。しかもハンが戦う前にアリーナに「鉄の爪」をあげるんですよ。

エンドールがある大陸へと渡るほこらへサントハイムの兵士が先回りしていて、王からの文をアリーナに手渡すのですが、その内容がステキだったコト。
さえずりの蜜のイベント割愛ですからね、小説ではその文で「わしはもう止めん、世界がどうなっているか見て参れ」と王の許しが出て、
「武術大会に出場するからには勝て! この先、弱音を吐いたり、そこらへんの弱いのにやられたら、家には入れんぞ」
「アリーナ、強くなれ、世界が必要とするような人間になれ。そのために邪魔になるなら、国、父など捨ててくれてもよい」
とも書かれていて。アリーナも思わずほろりとしてしまいました。

アリーナが男言葉で話していたコト。
…これは反対だったんですけどね…凛々しいアリーナなら「これもアリかな」なんて思ったりもして。
昔、友人に借りたマンガ(おおや和美とかいう人のだったかな。)の女生徒会長がこんな話し方していて、それを思い出しました。
ただ、「ボク」という一人称は、何か違う気がしてやっぱり受け入れられない…

アリーナが、戦闘に「恐れ」も感じていたコト。
ゲームでは、「大した事ないわねっ」って、向かう所敵無しのような発言ばかりしていたけど、あんた、サントハイム&サランの周りのザコキャラも最初は一撃で倒せなかったでしょ。
小説ではちゃんと弱い部分が出ていた所が、良し。
もぬけの殻となった城へ戻って来て、ブライ・クリフトに「自分一人じゃ何も出来ないから、この先もついてきてほしい」と言った、大人に成長していたアリーナがまた良し。

…っていう感じデス