地球温暖化がビールに与える影響
地球温暖化が進み気温が上昇すると多くの変化が出てきます。中でも、クイーンズランド大学の博士課程で植物バイオ工学を学ぶPeter Gousさんはビールの値段と品質についてとても心配しているそうです。
Peterさんが研究しているのは、大麦に十分な水が与えられなかった場合、麦芽の質がどう変化するか、というものです。小規模の初期調査で科学者たちは大麦粒のでんぷんが十分な水を与えた場合と与えなかった場合で異なることに気づきました。乾きによるストレスを与えられた大麦のでんぷん粒は繋がりが長く、通常通りの環境で育った大麦よりも多くのたんぱく質を含んでいました。その結果から、Peterさんはある1つの未来予測を立てます。
天候の変化は世界中の農場に深刻な干ばつをもたらすと言われています。それによってビールの原材料となる大麦粒を含む穀物の品質に影響が出るのであれば、同じ品質のビールを作るためにより高いコストがかかることになります。Peterさんは次のように言います。「ビール製造業者に聞いたのですが、やっぱりでんぷんの品質は醸造過程やビールの味に影響を与えてしまうようです」
幸いなことにPeterさんと彼のチームは新しい種類の大麦を発見し、干ばつに対して耐久性の強い特質を持ち、水が不十分な場合でもでんぷんの質が変わりにくい交配を作り出しました。新しい大麦は「ステイグリーン大麦」と呼ばれています。Peterさんはオーストラリアの地方紙にこうコメントしました。「この種のような特性を持った大麦を使うことにより、世界の農場は干ばつに対して耐久性を高めることができるでしょう」
上記のように、環境の変化に合わせて植物を変えていくアプローチが地球温暖化から農業を守る有効な対策となりそうです。
How Global Warming Will Affect Your Beer|Popular Science
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Francie Diep (訳:まいるす・ゑびす)
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